チューリップの花束
ぽんた
第1話
わたしのなまえは、
わたしには、あこがれの人がいる。
それは、藤乃まいちゃん。
まいちゃんは、あこがれであり、わたしのアイドルみたいな人。
藤乃まいちゃんは、わたしのおねえちゃん(小学3年生)が通っているミュージカル教室にいるおねえさん。中学2年生。
おしばいがとっても上手で、いつもはかわいいおねえさんなのに、舞台では男の子。
すごい!わたしもやってみたい!
…と、おかあさんにいってみた。そしたら
「1年生になったらね。」
と、えがおで言ってくれた。
◇
「行ってきます!!」
今日もおねえちゃんが、おとうさんの車にのって、おけいこに行った。
わたしはおかあさんとおるすばん。
おむかえは、わたしもついて行くんだ。
「ねぇ、今日おむかえ行ったら、まいちゃんにあえるかな?」
「彩月は本当にまいちゃんが大好きだね。」
「うん!かっこいいしかわいいし、だいすき!まいちゃんと、いっしょにおしばいしたい!」
「…彩月を悲しませたくないんだけどね…」
「?」
「まいちゃんね、今回の舞台で辞めちゃうんだって。」
「!!」
おかあさんの言葉に、ビックリしてかたまってしまった。
「まいちゃん、やめちゃうの…?」
「まいちゃん、次は中学3年生でしょう?
お勉強に集中するんだって。」
「………」
じゃあ…これがまいちゃんのさいごの舞台…。
わたしは立ちあがり、おりがみの本をさがしに行った。
「彩月?どうしたの!?」
「…まいちゃんに、花束あげるの。」
おりがみの本をペラペラとめくる。
いろんなお花の折り方がのっている。
でも、どれもむずかしそう…。
「彩月、これはどうかな?」
おかあさんが指さしているのは、チューリップ。
「これなら折れそうじゃない?」
「うん!!」
「お母さんも手伝おうか?」
「いらない。自分でやる。」
「そっか。頑張ってね!」
◇◇
それからわたしは、ようち園がおわって家にかえると、少しずつおり紙でチューリップを折った。
あか、ぴんく、きいろ、白と、たくさん折った。
「ただいまー!
あ、さつき。何してるの?」
おねえちゃんが小学校から帰ってきた。
「チューリップ折ってるの。」
「へー。かわいいじゃん。卒園式で先生にあげるの?」
「ううん。まいちゃんにあげるの。」
「まいちゃん?どうして?」
「おかあさんから、まいちゃんがミュージカル教室やめるってきいたから。」
「よく知ってるねぇ。公演当日に渡すんだ。」
「うん。」
◇
そして、発表会の日。
まいちゃんは、今回も男の子の役。
『お前、家でも沢山練習したんだな!!
すっごく上手になってるよ!』
ほんとうに男の子みたい。
これでやめちゃうからなのか、
いつもよりまいちゃんがキラキラしているように見える。
わたしは決めた。
まいちゃんがやめちゃっても、この舞台に立ちたいって。
◇
舞台がおわると、舞台に出ていた子たちとお客さんがおはなしできる。
ちょっとはずかしかったから、おねえちゃんにおねがいして、まいちゃんの所につれて行ってもらった。
「まいちゃん!!」
わたしはまいちゃんに、がんばって作った花束をわたした。
「これ、受けとって!」
「!!」
まいちゃんは、すでに持っていた花束を後ろにおいて、しゃがんで目線をあわせてくれた。
「ありがとう!!彩月ちゃん。すっごく嬉しい!!」
「まいちゃん、お勉強がんばってね!」
「うん、ありがとう!!」
◇
それから1年後。
わたしは舞台に立っている。
えがおでおどり、うたっていると…
「!」
まいちゃんが客席で、たのしそうに舞台をみていた。
チューリップの花束 ぽんた @pontaimo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます