これはこれで憧れる! 少年にとっての理想のシチュ!

 この物語は一体、「どの方向に転がるのか」。それが何よりもの見所でした。

 主人公は大学生になり、いわゆる「リア充」な生活に憧れていた。友達をたくさん作り、彼女も作り、四年間をひたすら楽しみまくると決意する。

 そうして六畳間のアパートで独り暮らしを始める。同じアパートには若くて魅力的な女の人が三人も住んでおり、「めぞん一刻」から始まるような「アパート同居ラブコメ」が始まるのではないかという予感が漂い始めます。

 だが、謎の異音が響いたり、どう見ても相場よりアパートの家賃が安かったり、何か怪しげな雰囲気も。

 もしかしてホラー? いや、ヒトコワ系サスペンスに進むのか?

 ジャンル的な行き先を色々と予測をつけながら読み進めます。

 そして「あ~、そっちか~!!」と。

 主人公としては複雑かもしれないけれど、この「続き」を想像した場合、そんじょそこらのラブなコメディよりも、ずっと恵まれる環境になるんじゃないか、と思わされました。

 これはこれで、なんか憧れる。本当に「少年ハート」を刺激される、ある種の理想のシチュエーションを楽しませていただきました。

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