萩市立地球防衛軍☆KAC2025その②【あこがれ編】

暗黒星雲

第1話 ララ隊長は萩市のアイドル

「ララ様。ファンレターでございます」


 自動人形のソフィアがドサリと段ボールの箱を置く。その箱は溢れるほどのファンレターで埋まっていた。


「検閲は済ませているか?」

「もちろんでございます。刃物や毒物、爆発物などが仕込まれてないかチェック済みです」

「いつものように」

「かしこまりました」


 毎回、ララは自分で手紙を読まず一通だけソフィアに読ませている。


「萩市の御許日菜子おもとひなこさん。10歳からのお手紙です。これは点字ですね。彼女のお母さまが文字の手紙を添えておられます」

「読んでくれ」

「はい」


『ララ隊長こんにちは。私は日菜子です。

 ララちゃんって呼んでいいですか?


 私はララちゃんが大好きです。

 防衛軍の隊長でかっこいいからです。


 ララちゃんは体が小さいのに、勇気があって、物凄く強くて、萩市の為にいつも頑張っているからです。怪獣を何体もやっつけて平和を守ってくれているからです。


 私もララちゃんみたいになりたいです。でも、目が見えない私はララちゃんみたいに戦えない。どうしたらよいのかお母さんに質問しました。お母さんは言いました。日菜子は日菜子のできる事を頑張りなさい。ララ隊長を応援しなさい。日菜子が勇気を出して応援したら、その勇気がララ隊長の力になるって。日菜子の勇気がララ隊長と一緒に戦っているんだって教えてくれました。お母さんの言葉がすごく嬉しかったです。


 だから、私はララちゃんを一生懸命応援します。私の勇気がララちゃんと一緒に戦います。だから、ララちゃんも頑張ってね。


 大好きなララちゃんへ。日菜子より』


 黙って聞いていたララは涙を流していた。その様を静かに眺めていたソフィアが尋ねた。


「ララ様。この手紙はいかがいたしましょうか?」

「焼却しろ」


 ソフィアは頷き段ボールを抱えて部屋から出て行った。


 ララは霊力使いである。霊力を物理的な力に変えて戦う戦士だ。故に、他者から向けられる意識には敏感だ。直接手紙を読む事は大きなリスクとなる。しかし、日菜子のような応援はララにとって大切な勇気となる。


 ララは萩市のアイドル的存在だ。彼女に憧れ慕う人々の意識が彼女に力を与えている。人々のララに対する〝あこがれ〟が地球を守っているのだ。

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