AI物語生成の時代

風波野ナオ

結局元に戻る

読み専は飽きた。小説を楽に書けないか?


「このアプリをどうぞ」


僕はAIに提示されたアプリを起動。

沢山のツマミやダイヤルが付いた画面が表示された。


「設定後執筆ボタンを押せば傑作が完成です」


このダイヤルは?


「幼馴染のツンデレタイプが変わります。およそ千通りです」


これは?


「回すほど朝起こしに来やすくなります」


まだ他にもある?


「1千万ほど」


……思ったより面倒。極端に簡単な物はない?

ボタンが一つだけのアプリが出た。


「押すだけで小説が作成されます」


早速押してみた


『オレオレ』


小説ちゃうやん


「作法が守られていません」


いくつかの動画が出てきた。五体投地、経典通読、祈りを捧げ押下。


「特定所作や祈りで乱数の調整が必要です。流派が多数あります」


なんやそれ


もういい。僕は読み専に戻る。


「お勧めを設定か乱数で提示するコンシェルジュがあります。どちらかお選びください」

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AI物語生成の時代 風波野ナオ @nao-kazahano

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