果てしない天に虹は輝く

天照うた @詩だった人

プロローグ

 ――この世界でだって、いつか虹は輝く。


 そう信じて、私は今日を生きていく。



十六年前――


「危ない!!」


 ――そう言われたときには、もう遅かった。


 目の間に迫るトラックのランプが容赦なく私に迫る。


 一秒後には、身体は高く飛ばされ天を舞う。


「大丈夫ですか!?」「しっかりして!」「早く救急車を……」


 どんどんと声が遠のいていく。意識が真っ白な世界へと吸い込まれていく。


 その時、瞼の裏に浮かんだのはやっぱりのこと。貴方のこと以外、頭になかった。もしこの一秒後死んでも。


 ――いつかまた、貴方に会いたい。



 この事故によって、私――朝霧あさぎりこう、そして歌手「kou」の人生は呆気なく終わった。





 ……と、思った。




「――生まれてきてくれて、ありがとう」


 そんな声が、私が「私」じゃなくなって一番最初に聞いた声だった。


 何が起きた、というのが最初の感想だろう。間違いない。私の立場に置かれたら誰もが絶対にそう思うと思う。


 端的に説明しよう。



 ――私は、転生してしまったらしい。


 そう、よくアニメとか漫画とかで見るあれだ。死んでしまって、他の人になるってやつ。


 もちろん、事実だなんて認めたくなかった。認められなかった。

 でも、ニュースに流れていたのは歌手「kou」が交通事故によって死亡した、という紛れもない事実。


 月日が経っていく毎に、事実を実感して――ないた。


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