30 波打ち際
海水浴場、もとい「サーブルビーチ」は、宿から徒歩5分の場所にあった。
ビーチの隣には木造の建物があり、その中が更衣室になっているようだ。
ビーチには太陽が照りつけ、ジリジリとした日光と厳しい紫外線が肌を差している。
一方で、更衣室の中は、先ほど述べた例の魔道具が作動していて、ちょうどいいくらいの涼しさに保たれている。
前のクラスが着替え終わり、次に俺たちの番になった。
木造の建物のドアを押し開けると、男性側の更衣室に入る。
中は意外と綺麗で、壁際にはおそらく着替えを置くことになる籠がいくつか置かれていた。
とりあえず5人で一列になり、荷物をカゴの中に置くと…
「じゃあサクッと着替えちゃおっか」
エルの合図で俺たちは一斉に服を脱ぎ始めた。
両隣にはリュイとノアの上裸姿がゆっくりと見えてくる。
リュイの裸はいつもお泊まりの際に見慣れている。
お腹のラインや胸についている2つの突起。そしてズボンの下に隠れた健全な男子の象徴も、海水浴なら全て人の前に晒される。
嫌だなあ…。リュイは俺が独り占めをするのに…。
一方のノアはというと。
少しもじもじしながら上にきていた服を首から抜き取ったと思えば、雪のように白い肌が下から現れる。
本人は小柄なものの、お腹の肉つきは健全な小学生男子のそれであり、白い肌に包まれた胸の上には、やはりピンク色の突起が、白い肌とコントラストを成していた。
そして周りを見渡せば、クラス全員の男子がその上半身を裸にしているではないか。
「ここは…天国…?」
「リオンくん早く服脱がないと遅れちゃうよ」
「あっごめん、、つい…」
危ない危ない…。
見惚れすぎてもはや別次元にいたようだ。
脱ぎかけで止まっていた上の服を首から抜き取ると、次はズボンに手をかける。
パンツごと下にずり下げると、そのまま脱いだ服をカバンの中へと入れて、代わりに持ってきた海パンを取り出す。
両足を入れて、そのまま上へと引き上げると、あっという間に着替えの完了だ。
再び周りを見渡すと、至る所に健全な男児の象徴が晒け出されているではないか。
まだ小学一年生なだけあって、全員同じような色やサイズを持っている。
これが第二次性徴に入ると、大きく成長する子と全く成長しない子…、変化が早く訪れる子もいればそれなりに遅い子も出てくるだろう。
「みんな違ってみんないい」
この言葉は第二次性徴時の男子にも共通するのだな…と俺は感慨深く思った。
「リオンくんもう行くよ!!!」
「えっ、な、あれっ」
俺はまた自分だけの世界に入っていたようで、周りにいた男子たちはほぼ着替え終わり更衣室の外に出ていた。
再びリュイの声で現実世界に戻ってきた俺は、着替えが入った鞄を持って更衣室をでた。
「それでは、海の中にいる危険生物には近づかず、沖に流されないよう、各自気をつけて海水浴を楽しむように。」
先生の合図で、俺たちは一斉に海へと走り出した。
眩しいほど太陽の光を反射する白い砂浜を抜けて、青く透き通った海にダイブする。
バシャーン!!!
「冷たーい!!!最高!!!」
海水の中に入った瞬間、太陽の光で熱せられた体が、冷たい海水で一気にクールダウンされる。
それにしても久々に海に入ったな…。前世から数えたら20年ぐらいか…。
最後に入ったのは、、、小学校の修学旅行かな?
海底の砂もさらさらしていて、手を突っ込んで持ち上げると、砂が指の間から落ちていく。
「リオンくんちょっと待ってよ~!」
後ろからリュイの声が聞こえてきたので振り向くと、波打ち際でおどおどしながら立っていた。
やっぱり海が初めてだと怖くなっちゃうよな…。
一旦海から上がって、リュイを迎えにいくことにした。
海パン姿がこれまた可愛い。天使。
「ごめんな、置いて行っちゃって」
「リオンくんだって初めてなのに、なんで怖くないの…?」
ごもっともである。
海とかいう訳のわからない液体の集まりを人生で初めて見た瞬間、その中に飛び込むだなんて、一般的に考えれば異常だな…。
「とりあえず一緒に入ってみようぜ、ほら」
おどおどしているリュイの手を握って、二人で少しだけ波打ち際に歩いていく。
「わっ、待ってまだ準備がっ、」
「大丈夫。ほら、手握ってるから」
「ううう…」
一歩ずつ海の方へと進んでいくにつれて、リュイの体が俺の体に寄ってくる。
心の中でガッツポーズをしながら、慎重に進んでいくと、波が俺たちの足元に押し寄せてきた。
「ひゃぁっ!」
びっくりして後退りをするリュイを見て、俺はクスッと笑った。
「怖くないから~!ただの水だよ!」
「うう…」
もう一回手をしっかりと繋ぐと、今度は二人でゆっくりと浅瀬の中に歩を進める。
何度もビーチに打ち付ける波を足首に受けながら、俺たちは膝が浸かるぐらいの深さまでゆっくり歩いて行った。
「ここぐらいでいいかな」
「…」
リュイは緊張してるからか、さっきから一言も言わずに俺の手を強く握っている。
とりあえずガチガチの体をほぐすために、声をかけてみる
「リュイ~?ほら、海の中だよ!」
「う、うみ…」
下を向いていたリュイがゆっくりとその顔を上げると、そこにはどこまでも続く海が、そのキラキラと輝く目の前に広がっていた。
「すごい…きれい、、、」
太陽の光を反射する水面は綺麗なエメラルドグリーンの色に、その下には、透き通った海水とカラフルな珊瑚礁、所々には熱帯魚の姿も見える。
あまりの美しさに、リュイはぼーっとしながら、すっかり見とれていたようだった。
「僕、こんな綺麗な景色、初めて…。」
「も、もちろん俺もだけどな…。あははは」
とりあえず怪しまれないように俺も初見アピールはしておくものの、逆に怪しまれているような気がする。
つっても日本は島国な訳で、海に囲まれてるものだから、前世で海なんて30年のうちに何百回とみているはずだ。
しかし、10年ぶりに見た海は確かに綺麗だった。
人間の手が入ったのとのない、自然そのものの海。
そう考えると、どこからともなくジーンとした感動が溢れ出してきた。
「もうちょっと深いところまで行ってみる?あそこらへんに魚もいるだろうし」
「お魚さん…!?かまれない…よね???」
「大丈夫だよw」
そう言って、俺とリュイは浅瀬から沖の方に向かって少しずつ歩き出した。
照りつける太陽の暖かな日光と冷たい海水が体を包んでいた。
続く
転生したので異世界でショタコンライフを堪能します @noritama_gohan
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