荒廃した世界で美味しいご飯を二人で食べたい。

詩鴨遊笑

荒廃した世界の2人

ある日、怪物が現れた。

海から這い上がって来たおよそ50体の怪物達は、大量の人間を殺した。

怪物には円盤状の頭に人間の形をした手と足が生えていて、触覚のような器官が二本。

異様な見た目で、ある時には手で人を潰し、ある時には人々を掘った穴に詰め込んで、生き埋めにしたり、おもちゃで遊ぶかのように人々を殺して行った。

一日に1000万人のペースで人が死んでいき、

10日もすれば街から人は居なくなった。


少女が如何にも崩れそうなビルの屋上に立っている。

見た感じ、7歳から8歳ぐらいの少女だろうか。

彼女は身長よりも全然大きいであろう鎌を持っていた。

ボロボロのビルの向こう側には円盤状の頭をした気味悪い怪物が荒ぶっていた。

少女はすぅっと息を吸い、ピョンとビルの屋上から屋上を飛び越えていく。

そして瞬く間に怪獣の前まで辿り着くと、怪獣の頭目掛けて鎌を振りかざした。

怪獣は倒れ、その後、怪獣の死体が消える。

たまに死体が消える際に物を落としていることが有るが、今回は無かったようだ。

「かーえろっ!」

元気よくそう言う少女は、人間だ。

正しく言えば改造人間だろうか。

彼女は親に人体改造をさせられ、肉体強化してある特攻型の戦闘機である。


隠れ家に帰ると、青年が笑顔で少女を迎え入れる。

「トーカちゃん、おかえりなさい」

「ナツくんただいま!」

この2人は別に血が繋がっている訳でもない。

先程ナツくんと呼ばれていた青年。

ナツマは、料理研究家の母の影響から幼少期から料理をする事が好きで、今では1人でレストランを出してもいい程の一人前の料理人である。

2人は、ナツマが偶然トーカの閉じ込められていた地下室を見つけ、そこに夏弥も逃げ込んだところから2人は行動を共にするようになり、今ではまるで兄妹の様に過ごしている。

「今日はね、いっぱいツナがあったからもってきたよ〜」

「ありがとう、いつも役たたずでごめんね?」

申し訳なさそうにナツマがそう言う。

するとトーカがむすっとした顔で夏弥に答えた。

「ナツくんは、すんっごい役に立ってる!!」

一言そう言ってトーカはナツヤの頭にぽんっ、と手を置いた。

「そうかなぁ、そうだったらうれしいなぁ」

そう言って照れ臭そうに夏弥が笑う。


これから話すのはこの2人のゆったりとした日常の話である。

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荒廃した世界で美味しいご飯を二人で食べたい。 詩鴨遊笑 @yucca_0722

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