儚さ辿るリスタート

春風 咲来

第1話

大人

キラキラした響き、夢を叶えたそんな未来

子供の頃は疑う事なく信じて、輝く希望を宝箱に収まりきらないほどいっぱいに集めて

現実

幼く守られる時間、現実の中

あの頃の大切は、いつのまにか指の隙間から零れ落ちた

壊れた宝箱は仕舞い込まれて、ガラクタのように埃を被った

友愛

学校というしがらみがなくなれば、私とあなたが繋ぎ止めなければ縁は切れる

本音と建前、偽り、社会の歯車として抱えた靄で、意味もなく見失う

互いの傷を抉って


闇、病み

温もりも、愛も、夢も、力も、何もかも亡くした私に、何ができる、何になれる?

憂鬱の中を揺蕩って、救いを求めて眠りにつく。

こんな世界に、こんな自分に価値などあるのだろうか。


彷徨う心の道標を作ったのは、眩い光の中、人工の光よりも強く輝き、炎よりも情熱的に、それでいて穏やかな愛を与えてくれた彼だった。

まっすぐな愛の温もりを教えてくれたのは、何気ない日常を楽しむ幸せを、心を保つ安寧をくれたのは、あの日ひとりぼっちで震えていた君だった。

自分ではない誰かの幸せを願う事

一緒に夢を叶えたいと祈る事

それが私の生きる希望、この人生で掴んだ宝。

どうか愛と呼ばせて欲しい。

もう二度と離さないように、ぎゅっと握って。

自分を忘れないように。


蘇る、胸に燻る小さな灯火

砕け散った欠片を、少しずつ集めに行こう

まだ道は途切れていないはずさ。

かつての友が、まだ隣にいてくれるように。

夢の形が変わっても、世界を変えるような物語にはならなくても、迷子になっているあの頃の私が、今の私に手を伸ばすなら、その手を取って。

今の私は笑っている。憧れた姿ではなかったとしても、ちゃんと幸せだと格好つけて、宝物を見せ合って、証明しよう。

止まない雨はない、そんな耳障りのいい言葉は嘘ではなかった。

いや、いっそ、心に揺るがぬものさえあれば、雨の中もがくのも悪くないのかもしれない。

夢を見るのは、何かに挑戦するのは、幾つになってもできるはずさ。

だから、あの子の大切を大切にして、宝箱を修理しよう。

もっと大きな宝箱に、たくさんの宝を磨いて、もう一度詰め合わせる。

さあ、新しい宝を探しに行こう。









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儚さ辿るリスタート 春風 咲来 @sakuraharukazekuronek

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