『書籍化=就職活動』。
その一文を読んだ瞬間に、「たしかに」と口に出してしまいました。
分かりやすいプロフィールを書くのも、SNSを使った宣伝をするのも、全て就職活動と似ていますね。
まず自分がどんな人間なのかを知ってもらって、興味を持ってもらえなければ始まりません。
ただ受け身になっていたところで誰にも気づいてもらえないので、大切なのは自分から行動すること。
ついつい受け身になりがちな私には、刺さりすぎました。
そのほかにもこちらの創作論では、初心者の方がつまづくであろうポイントを分かりやすく解説してくださっているので小説を書いたことがない人でも大丈夫!
もちろん今までのやり方ではうまく活躍できなかったという人にも刺さる内容が盛りだくさん!
かくいう私もまだまだ初心者なので、これからも参考にさせていただきたいと思います。
タイトルからしてすでに全力投球。
「書籍化=就活」――おお、そうきたか!なるほど一理……いや、三理くらいある。
その視点、控えめに言って革新的ですよ先生!
……ただ、ひとつだけ言わせてください。
ボクには夢がある。
印税で鶏を飼い、産んだ卵の不労所得で生きていくという野望が。
だから「就職活動」という単語を見た瞬間、思わず叫んだんですよ。
「いやだ!働きたくない!もう社会に揉まれたくない!」
けれど読み進めるうちに気づいたんです。この作品、「就活しろ!社会に従え!」って話じゃない。
むしろこう語りかけてくるんです。
「自分の作品を“売る”って、そういうことじゃない?」
社会人なら当然やんなきゃいけないことを、鋭いナイフでそっと脇腹を撫でるように突きつけてくる。それが痛くもなく、むしろ気持ちいい。で、気づけば頷いてる自分がいた。ちょっとだけ社会に許しを乞いながら。
内容面で見事なのは、創作論を精神論にとどめず、「アカウント設定」や「ペンネームの設計」など、めちゃくちゃ実務的な領域にまで踏み込んでいる点。
プロフィール文=履歴書という発想も最高。
「読者は人事担当者」「まず足切りされないための文面を整えろ」って、なるほどそういう見方があったか!と膝を打ちまくりました。
そして何より、文体がイイ。
ボクも創作論を書く人間として思うけど、あのテンションの高さを保ちつつ、押し付けがましくなくて、でも伝えるべきことはキッチリ伝えてくる。
これ、「知性のあるおしゃべりオタク」だけが出せる味なんです。
わかる、ボクも頭いいはず……!(と、自己肯定感を上げさせてくれる系文章)
意外と“読みやすい創作論”って少ないんですが、本作は構造的にもきちんと「読ませる」ことを意識してる。
そして地味に痺れたのが、「本職は伏せてます」のくだり。
あそこに全てが詰まってる。
SNS時代って、何を語るかと同じくらい「何を語らないか」が重要なんだよなって……痛感。
あーーボク本職しゃべっちゃってます。もう遅い。
本書は、カクヨムでの活動を「就職活動」に喩えるという、独創的な視点から描き出された攻略指南書です。この視点の転換により、クリエイティブな活動である小説執筆に、具体的で実践的な指針を与えることに成功しています。
著者は8万PV、900レビューという実績を持つ現役投稿者でありながら、これから挑戦する人と同じ目線で語りかけてきます。プロフィールを「履歴書」として捉え、読者を「面接官」として意識するという考え方は、単なる比喩以上の説得力を持っています。
特筆すべきは、著者の誠実な姿勢です。戦略的な思考を持ち、情報の「見せ方」を意識しながらも、嘘をつかないという線引きを明確にしています。カクヨムが単なる投稿サイトではなく、同じ目標を持つ仲間とつながる場として捉える視点も明確です。
本作の価値は、HOW TOとしての具体的な設定手順から心構えまでを網羅しながら、投稿者、読者、運営、コミュニティという多角的な視点から分析を展開している点にあります。カクヨムで活動している読者に新たな気づきを与えてくれるエッセイです。