命令を疑うことなく従う者の行く末が、賢いと自称する者を裏切ります
- ★★★ Excellent!!!
本作がカクヨムコン10にて応じたお題は、「羽」、「10」、「命令」。
主人公は命令を下されて疑うことがありません。というより、それ以前から世を疑うことを知らない様子でした。世間から見れば素直に過ぎます。「バカ」「情弱」など頭が弱いことを嗤う風潮からすると、愚か者の見本です。
しかし結末は…… 嗤う者を嗤う結末。そうとだけ記します。
すると本人の意識はどこにあったのでしょう。世を疑わない意識は世も自分も欺く擬態で、無意識は行く末まで理解していたのでしょうか。真実は分かりません。ただレビューアーが勘ぐるのみです。
欺いていたのは姿? 心? それも分かりません。
最後には圧倒的な結末が残されます。力なき私達に何ができましょう。問うことしかできず、問うても遅いのです。