精霊魔法の命令法
大黒天半太
命令は絶対である~とは必ずしも限らない
「我は命ずる。
精霊魔法の遣い手であるジョシュアは、迫って来る敵集団にも怖じけず、詠唱を終えた。
光る
三人を貫通した所で、
「我は命ずる。
再び詠唱するが、出現した光る鳥は
光る
魔力の消費量は変わっていないのに、威力が落ちるのは、
精霊との適正な契約が締結されていれば、正しい命令が、精霊に正しく伝わっていれば、その効果は一定のはずだが、そうなっていない。
師匠に指摘される前に、自分でも納得できていない。
正しい精霊契約の締結。報酬としての術者の魔力、精霊に求める奉仕とそれを満たす精霊の能力。
正しい環境、正しい命令、その結果こそが、期待される正しい成果を生むと信じて来たが、何か見落としがあるというのか。
逆に言えば、何か決定的な見落としがあるからこそ、成果が出ていないのだ。
「ジョシュア、落ち着け」
「精霊を『命令』によって『使役』するのが、精霊術だと
師兄に言われるまでもなく、それがわかっているのに、実践できていないからの焦りだった。
「師匠の言葉も、お前の拘りも、一旦、全て忘れろ。お前の精霊との親和力は、誰よりも高い。私より、下手すれば師匠より、な。『使役』とは精霊に仕事をさせることで、『命令』とはどんな仕事をして欲しいかを精霊に伝えることだ。『使役』は『依頼』、『命令』は『対話』だ。まず対話し、精霊と繋がることだけでいい」
ダグラスの言葉に、何かが腑に落ち、肩の力が抜ける。
精霊魔法は『命令』だから、精霊に言うことを聞かせようと、言葉に強制力を持たせようとばかりしていた。
「我は命ずる。
私は依頼する。鳥を象った光の精霊よ、私の邪魔をする者達を攻撃しておくれ。
光の精霊達は、ジョシュアが言葉に載せた魔力に、無邪気に集まって来る。
ジョシュアの消費魔力量は、むしろ軽くなった。
ジョシュアの両肩に
光る
「残りは、私にお任せください」
少し笑顔になりながら言うジョシュアに、仲間と師兄が頷く。
「任せた!」
「頼むぞ」
「頑張れ!」
「スゲェじゃん、ジョシュア!」
精霊魔法は、精霊に『命令』し、『使役』する魔法である。
基本は『対話』だ。
精霊魔法の命令法 大黒天半太 @count_otacken
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