『私』が小説家をやめた理由

ラトメイ★小説家

【1話読み切り】なろう小説のすべて

私 「私は…どうして…誰も見てくれない…」


私は絶望していた…それはあまりに、事実を受け入れるには重い内容だった。


私はとにかく、みんなに見て欲しかった…。絶望を理解してくれと思ってない…。


ただ、もうちょっと優しい世界が広がっているものだと思った。



~ 3か月前 ~



私は小説サイトを閲覧しているとき、ある広告が目に入った。


 『主人公はアナタ!さあ、小説の書く楽しみを!!』


そっか…私も小説家になれるんだ!


そう思った。私は小説は読めるがいわゆる文学的作品はあまり好みではない…。


でも、なろう系は結構な数読んだ気がする…。


なんだろう、ただ楽しかった。作者と話すとき人と繋がった気がした。


だから、私はいろんな人たちと繋がりたくって…web小説連載を始めた。


私 「うーん、私は異世界転生とかいいなとかは思うんだけど悩むなあ…」


私は特別才能がある側の人間ではなかった…。


私 「ランキングにはどんな作品が載っているんだろう…?」


その光景を見たとき私は驚いた…なんという【異世界転生恋愛ものの数!!】


こんなに多いとは私は思わなかった…ランキングを全部埋め尽くしてるなんて…。


しかも書籍化も漫画家もしてる…このジャンルにすれば少しは人来るかな…?


私 「私も投稿しよう…もしかしたら少しは見てくれるかもしれない…」


少し楽観的だっただろうか…?私には関係ない!!


小説さえ書ければ私は満足なんだから…そう…だよね…。


自信は正直なかった…だって文章書くのなんて初めてだし…。


異世界転生か…それは有名にもなっている転スラのテンプレを使おう!


テンプレっていうと、形から入ってダサいけど仕方ないよね。


書こう。とりあえず無双モノがいいな…敵をバタバタ倒したり!


正直、自分の黒歴史になるかもしれないと思いながら書いた。


だって…小説投稿するの…恥ずかしいよ…///


その羞恥心しゅうちしんを乗り越えて、小説を投稿した。


それから1時間して100イイネほどついてその中で3人応援コメントがあった。


キリト 「素晴らしい作品ですね、これからも頑張ってください!」


ピアノ 「私、この展開好きです…。。。」


リムル 「僕は無双モノが好きなのでフォローする!」


こんなコメント届くの嬉しいな…応援してくれているんだ!!


もっともっと書こう!毎日書こう!そう決意した。


読者は私の作品を正当に評価してくれている…うれしい限りだ。


私 「もっと小説書きたくなったわ!」


たった1話しか出してないで、2話目からはもっとたくさんイイネがつくんだろうな…。


そう思いながら疲れたのでベットで横になって2話目を書く妄想をしていた…。


私 「そうだ!オリジナルの展開を入れよう!」


私の作品はテンプレに従って作っているだけでまだクオリティを上げられると思っている。


今日は疲れているので眠りについた…。



~ 翌日 ~



私 「2話目の投稿をしよう…!」


毎日書くのは大変だし、正直有名な作品をパクろうかも考えたが、さすがにやめた…。


よくないもんね…そういうの…ファンも去っちゃうし…。


投稿して私は1話目がたまたま人気になっただけで転びたくないので作品の最後に宣伝した。


『ご愛読ありがとうございます!イイネがつけばつくほど投稿させてもらいます』


そう私は書いた…しかし、どこから間違えたのだろうか…。


なんと2話目には…



誰 一 人 と し て 応 援 コ メ ン ト す ら な か っ た … !?



嘘でしょ…あ、あれ?おかしいな…私変なことしたかな…。


イイネも……30まで下がってる……。


なんでここまで下がったかweb小説解説動画を見た…。


どうやら素人はオリジナルを入れると駄作になりやすいようだった…。


私 「き、きっとたまたま私のオリジナル展開が受けなかっただけ…受けなかっただけなんだ…」


そっか…みんな、が好きなんだもんねしょうがないよね…。


閲覧数稼ぎになったらいよいよおしまいなのだけれど、仕方がないか…。


オリジナルの箇所を編集し、普遍的なチート生活にし、ハーレムにもした。


そして自らを殺し、3話目を書いた…。


これで…これでよかったんだ…よかったんだよね?


私は不安になった。ライン作業のような苦行…これじゃまるで奴隷…。


でも、読者はいてくれるしいいよね!


そう自分を騙しながら小説を書いていた。


小説を書くのさえ、今も苦痛だった…これが明日も…?


だけど、書いていけばきっと…。


そう思い眠りにつこうとしたがなかなか寝付けなかった…。


なんで…?スマホをみて暇だったので他のなろう作品もみた。


私 (こんな…つまらないのに…イイネとコメントも多い…)


ランキングに上がっている小説を読んでみると疑問が思い浮かんだ…。


私は気づかず寝落ちしてしまった…。



~ 1か月後 ~



私の作品はもう誰にも見られなくなっていた…。


毎日書くのが難しくなって週3…週2…とペースを減らした。


2話はイイネは150になっていたが、3話はその半分…。4話以降はいいね0…。


2話のコメントが久々に来たので、読んでみたら…とんでもなかった。


リムル 「僕の小説も読んで(ꐦ°᷄д°᷅)」


なんで…そんな…読者でしょ…?


本人のプロフィールを見ると幼稚な文字で小説家であることを恥ずかしげもなく自慢していた…。


しかも肝心の小説の出来も悪かった…し、誤字脱字が酷く、コメントでも批判されていた。


そして本人がこういう宣伝行為を他の小説家にもしてたようで…。


もう、3話目でログインしている形跡すらなかった。


漫画で言えば打ち切り…?


そして、私は書く気力がなく、近況報告にて【無期限の休止】をした。


私は私に言い聞かせた…いつか…いつか書こうって…そして…。



~ 現在 ~



私は書きたかった…書きたかったけど…アイデアが思いつかなくて書けない…。


どうして、見てくれなかったのだろう。


どうして、私の作品に触れてくれないんだろうとすら思った。


そして、ネットでなろう小説を探していると『なろう小説が受けない理由』という記事を見つけた。


私は気になった…でも、見るのはとても怖い……。


おそるおそるその記事を見た…。


そして分かってしまった…。


私の小説が受けない理由を…それは…。


web…!!


その記事に書かれていたのは



その1 なろうは異世界転生のテンプレから少しでもそれてはいけない


その2 独特の文化により、オリジナルは排他…。


その3 そのためweb小説は盛り上がらず誰も見てはくれない。



そっか…私…間違ってたんだ…。


大した勇気もないくせに小説家ぶって…自分が面白い作品を書いてるってただ、勘違いしてた…。


ずっと寂しくて…それでも…居場所が欲しくて…だから…小説を書いて…。


私 「うわあああああああああ…!!」


私は泣いてしまった…どうしようもないんだ…これは…だけど……!!


…。


ネット小説の周りを見渡すと、炎上してる人ばっか…。


それどころか資本主義が進んだせいか、なろう系はつまらない作品ばかりで大量に漫画家…アニメ化…。


私はネットでもう、小説をあげる勇気も!気力も!全部…ない…。


私はただの一般人で才能が無くて…。


何も為せないクソ野郎…。


悔しかった…自分に失望した…。


私は、人生の中で友人も恋人もいなかった…。


家族も私に冷たくなって…どうしようもなかった。


私はもう、やめた。


小説書くのも、読むのも…もう苦痛だから…。







  私 は 小 説 家 を 辞 め た … 。




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