すごく不思議で、魔法にかけられる感覚。竹神さんの作品はいつも言葉選びが巧みで、絶対真似できない敵わないと思います。今回もそう。その言葉の並びある? と感激しながら読み進めるのですが、次第に窓辺の貴婦人と主人公の関係に不穏な影が感じられ始めます。主人公は、貴婦人に取り憑かれてしまったのか。答えは明言されずに展開する物語を、読者の私はあれこれ想像しながら、その間も常に「これは比喩? 夢? 幻覚?」と……(良い意味で)独特の筆致に浸りたい方、トリックアートのような魔術師の技に魅せられたい方、こちらの作品へどうぞ。
子どもの目線で描かれる現実と幻想の入り混じった世界観は、物語の筋を理解しようとすればするほど、つかもうとすればするほど、まるで全てが手から滑り落ちるような印象を与えられる。ただそのことが、この物語を非常に強い魅力を放たせるようにも感じる。日常と非日常が曖昧に重なり、孤独や執着、心の揺れがリアルに伝わる一方、難解さゆえに意味を掴めないもどかしさが、きっとこの作品を読む人を不思議な世界に誘うことになると思う。
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