荊はハッピーエンドの夢を見たかった

@Aoba_yoru

 

 いばらの色は何色か。

 刺々しくて、醜くて。鮮やかなんて、柄じゃない。誰にも愛されない。

 慣れない背伸びなんて、しなきゃよかった。


 王子様なんていらないの。待ってるだけじゃいられない。私はかわいくないけれど、誰より強い棘を持っているの。

 幸せを願う準備はもうできているわ。あとは招待状を待つだけ。

 かわいくないけど、着飾ったの。私なりに頑張ったの。メイクだって勉強したわ。動きづらくて柄じゃない、ドレスだって新調したの。

 招待状、早く来ないかなあ。楽しみだなあ。どんな幸せをあげようか。

素敵な王子様に出会えますように、とか?素敵な笑顔が絶えませんように、とか?悪夢なんて見ないで、幸せな夢を生涯見られますように、とか?

 他の魔法使いと被らないようにしないと。でも、私は強いから。どんな幸せもあげられる。

 楽しみだなあ、お料理は食べられるのかな。お城のシェフの料理ってどんなだろう。異国の料理とか、あったりして。最近は1人のごはんが多いから、ちょっとそれも楽しみかも。

 お姫様は、きっと、かわいいんだろうな。私みたいにかわいくなかったら、愛されたりなんかしないもの。

 楽しみだな、幸せなんだろうな。みんなが幸せを願って。この国はきっとこれから、もっともっと幸せになって!

 そうなったら、いいのになあ。


「招待状、来ないかなあ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

荊はハッピーエンドの夢を見たかった @Aoba_yoru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ