走れ、悪役王女!
藍無
第1話 転生した
えーっと、これはどうなっているんだ_?
確か私は、飼い猫を追いかけていたらトラックにひかれたんだよね。
もしかして、死んだ?
じゃあここはどこ_?
目の前にある豪華な部屋。
天蓋付きのベットに、おしゃれな刺繍のしてあるカーペット。
かわいらしいデザインの窓にきれいな模様のカーテン。
どう見てもお金持ちの部屋なんだけど。
どうして私がここに_?
っていうか、私はどんな見た目なんだろう_?
私は、そう思い鏡の前へ向かってみる。
鏡に映っているのは黄金を溶かしたかのように美しくさらさらの髪に紫色の瞳の幼い少女だった。見たところ5歳くらいだろうか_?
っていうか、え??
なんで、私がこんな少女になってるの_?
もしかして異世界転生ってやつ_?
というか、どこかで見たことがあるような気がする。
どこで見たんだろう_?
「アメリア王女様。」
メイドさんのような
え_?
アメリア王女_?
それって大人気異色乙女ゲーム『走れ、どこまでも!』の悪役王女じゃない_?
え、ちょっとまって。
確かアメリア王女もきれいな金髪に紫色の瞳だった気がするんだけど_?
ってことは、私、乙女ゲームのアメリア王女に転生しちゃったの!?
え、どうしよ!
このままだと死んじゃうじゃん!
そんなことを思っていると、困ったような表情で、
「あの、お食事の時間です。」
と、メイドさんが言った。
「わかったわ。」
私がとりあえずそう返事すると、メイドさんは部屋の外から食事ののったおぼんを持ってきて、机の上に置いた。
どうしよう。
確かアメリアは病弱で、家族とはほとんど話したことが無いんだよね_?
だから、当然食事も別にとっていたんだ。
そして、目の前に置かれているのは豪華な食事。
お、美味しそう。
前世でのバイトをしている、ギリギリの生活で食べていたものと比べると天と地ほどの差がありそうである。
とりあえず食べよう。
そう思い、私は前世での小説を読んだ時に得たテーブルマナーを駆使して豪華な食事を食べる。とりあえず、野菜から食べるか。
「いただきます。」
何これ!?美味しすぎる。
しゃきしゃきの新鮮な野菜がかむごとにみずみずしさを感じさせる。
野菜でさえもこんなにおいしかったのか。
良すぎる!乙女ゲームの世界!
そう思い、わたしはパクパクと他の料理も食べる。
しかし、その様子を見ていたメイドは驚いた顔をしている。
一体どうしてそんなに驚いた顔でこちらを見ているのだろうか_?
そう思い、考えてみるとたしかアメリア王女はひどい性格でかんしゃくもちで、気分が悪い時はメイドにスープなどの入っている状態のお皿などを思いっきり投げつけたりしていたんだっけ_?
そりゃ驚くわ!
だって、普段は大人しくおいしそうに食べない人が急に人が変わったかのように大人しく料理を味わっているんだから。
でも、もう大丈夫。
私は絶対に料理を投げたりなんてしない。何があっても。
あの前世でのギリギリの生活をしていた私にはこんなに豪華で美味しいごちそうを投げたりして無駄にすることは何があってもできないと思う。
ああ、本当に感謝だ。
こんなにおいしい食事を食べれる身分に転生できて。
まあ、唯一気がかりなことがあるとすれば、飼い猫の事か。
あの後無事だったのだろうか。
トラックにはねられるギリギリのところで、私が突き飛ばして怪我をしないようにしたけど、それだけが気がかりである。
まあ、どんなに気にしたところでこちらの世界からそのことを知るすべはないんだけどね。無事でありますように。
そんなことを思いながら食べているとあっという間に食べ終わってしまった。
すごくおいしかった。
「ごちそうさまでした。」
私は手を合わせてそう言った。
すると、驚いた顔のままのメイドが食事をさげてくれた。
っていうか、この乙女ゲームの世界についての情報を整理しなきゃだよね。
情報を整理するには何かに書くのが一番だよね!
えっと、とりあえず覚えていることを紙に書きだそう。
私は、引き出しの中を開けてみた。
すると本が入っている。
それは、今までのアメリアが書いていたらしき日記だった。
今までの出来事が事細かに書いてあり、それに対してどう思ったかも全て記してあるのだ。今までのアメリア、グッジョブ!!ありがとう。まじで感謝!乙女ゲームではそこまで細かく書かれていなかった部分もかなり細かく書かれていて、死亡フラグを回避するのにかなり役立つように見えた。
私はその日記の続きにペンをもって書き出す。
確か、乙女ゲームでのアメリア王女は、病弱でかんしゃく持ちで、最低最悪な性格。でも、そんな王女にもどうしてそんな性格になったのか、という原因があって、確かその原因についてはファンディスクの方に書かれていたんだよね。ギリギリの生活だったけど、ファンディスクの方もしっかりプレイしていたから内容は鮮明に覚えている。確か、アメリア王女の母親である現、国王の
え?
ちょっと待って、食事に毒を盛ったり?
私、今普通に食べちゃったじゃん?
大丈夫なの!?
次の瞬間、くらり、とめまいがした。
意識があいまいになる。
そして次の瞬間、私の意識は途絶えた。
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