ヤンキー

白川津 中々

◾️

「俺バカだからよー細かい事分かんないんだよなー!」


田中くんはそう言って呪われていると云われる木刀をぶっ叩いてぶっ壊した。


修学旅行。京都。自由時間。

土産屋で真っ黒な木刀を見つけた田中くんは「渋いぜー」といつもの鳴き声をあげ、意気揚々と購入しようとしたところ店主に止められた。


「この木刀は呪われているんです。昔ワルだった伝説のヤンキー、ジョーが愛用していたとされる木刀なんですよ。持った者はジョーのように、ブレーキがぶっ壊れたダンプカーのように暴れ狂うとされています」


そんなもの店に置いておくなよと思った矢先。田中くんの眉間に青筋が立つ。ブチギレた時の兆候。やばい。


「俺に売らねーてっんならよー! ぶっ壊してやるぜこんなボクトー!」


もう支離滅裂。そうして木刀を握りしめ、現在に至るというわけである。


「あ、呪われちゃいますよお客さん」


「うるせー! 俺バカ! バカだから! バカバカバカバカバカババカだからだからよー!」


田中くん。壊れる。


「おばおばおばばばばばばばおかばあかばおかば」


バグりながら田中くんは周りを破壊しながら京都の街を疾走していった。


「あっちゃー言わんこっちゃない」


土産屋の店主は他人事みたいに半笑いだった。どうしようかなぁと思ったけども、僕は田中くんが嫌いだから、このまま暴れてもらって豚箱に放り込まれた方が都合がいいなと考え京都観光を満喫。楽しかったなーヤンキーがいなくて快適だったなーと宿に帰ると田中くんが体育教員の橋本にぶん殴られていた。


「すまねー! すまねー!」


取り憑かれていても、謝れるもんなんだなぁと感心。だけど逮捕されてないのかーとガッカリした。


翌日、田中くんは普通に復帰したけれど、彼が田中くんなのかジョーとやらなのかは判別つかなかった。どっちにしろヤンキーなのだから、僕にとっては同じ事だ。あーあ。死なねーかなー。あいつ。

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ヤンキー 白川津 中々 @taka1212384

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