あの月はふるさとに昇っていたのと同じ月なんだろうなぁ

道楽byまちゃかり

阿倍仲麻呂

 唐に来てから何十年経つだろうか。幾度、幾度とふるさとに足をつけたいと願ったか。


 帰ろうとした。この前も益久島(現在の屋久島)に向けて出航した、その船に乗っていた。


 しかし暴風によって漂着。さらに現地で襲撃に遭い、命からがら唐に戻って来てしまった。


「今日は月が昇っている。我がふるさと、奈良の春日にある、三笠山に昇っていたのと同じ月なのだろうなぁ」


 天の原 ふりさけ見れば 春日なる


 三笠の山に 出でし月かも


◇引用: 古今集




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