2.スライム、天才!!!

捕獲したスライムを家に連れ帰ってすぐ、スライムに名前をつけることにした。

ペットには名前をつける。これぞ偉大な先人たちが遺した教訓だ。


さて、どんな名前が良いだろうか。

しばらく考えた後、完璧な名前が頭に降りてきた。

「よし、今日からお前の名前は『緑スライム1号』だ!この私から名前を頂けることを光栄に思え!」


『緑スライム1号』は、不満そうに身体を揺らした。何が不満なのだ。人間の言葉もまだ教えてないのに響きだけで拒絶するのか?


仕方ないから『超回復!腕ナオール5号』を商品棚から取り、飲みながら別の名前を考える。


「じゃあお前は『ピュア緑1』!『グリーンファースト』!『ミドイムワン』!」

全部拒否された。わがままな奴め。


ならばここは、我が親が使用していた命名方法を拝借させてもらおう。

スライムの周りにいくつかの宝石を置く。

一番最初に近づいた宝石の名前を借りて命名するのだ。


倉庫にギリギリ残っていた宝石の欠片をスライムの周りに散りばめて選ばせる。


「身体を平らに拡げて全部取るのはズルだ!こいつ、全部食べやがった!名付けをさせない気か!『緑スライム1号』!」

そう私が言うと、『緑スライム1号』という名前がそれほど嫌だったのか、おずおずと消化しきれなかった宝石を1つ吐き出してきやがった。残りは完全に消化された。


仕方なくこの宝石、アレキサンドライトから名前を取る。こんな色が変化する宝石を選ぶとは贅沢なヤツめ…しかし長いな…

「アレキサンドライトは長くて呼びにくいから『ア』でいいか?ダメ?じゃあ『アレキ』でいいよな。」

そう言うと『アレキ』はポヨポヨと跳ね、肯定の意思を主張してくる。

やっと肯定的な反応を示して、私も胸を撫でおろす。名付けだけで明後日の営業に支障をきたすかと思ったぞ。


やっと色々覚えさせる番だ。とりあえず外にあるゴミ溜めの中身を食わせて、ゴミ掃除でも覚えさせよう。


「ここのゴミ、全部食って大きく育てよ。」

私がそう言うと、スライムはポヨポヨと跳ねながらゴミ溜めに飛び込んでいく。

こいつ言葉教えてないのに分かってんな。

あと絶対服従の魔法使ってんのに逆らってくるな。腐った生ゴミだけ遠ざけるな。


こんな行動するなんて、もしかしたら拾ったスライムは天才かもしれないな。

まるで私のように。

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家から出たくないから、私の代わりにスライムが行く。 @Ud_Udon

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