第5話 最近しゃべってないよね。

「息が半分しか吸えない……」


と、夫が嘆くので、


吸える半分を吸ってろよ、


と思うわけで。


病気なんだから仕方ないし。

今全力で吸う必要ある?

酸素必要なのはね、今動かなきゃいけない人なんで。

寝てるんだから、半分でいいだろ。

休めることに感謝しろや。

治る病気だったことに感謝しろや。

薬もらえたことに感謝しろや。

空気半分吸えることに感謝しろや。


と、思いましたが、私もしゃべれるほどは呼吸が回復してないので、黙ってました。(深呼吸はできるけど、ゆっくりしかできない)


そして、一日家事をして、夕食後に食器を洗おうとしたら、寝室から喚いてる声が聞こえて、どうしたのか聞いたところ……


「最近全然話してない。何か最近のお話しして」



想 像 力 の 欠 如 !!!



お前からうつってるんですけどー!!!

しゃべれるならもう説教してるっつーの!!!

なんで私だけもう治ってると思った?ねぇ?


と、今日もやられました。

無理だよ、とだけ言って去りましたが。

そんなに私の最近が知りたかったら、このエッセイ見ればいいのに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

無職冬明 千織@山羊座文学 @katokaikou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ