第2話 推敲のコツと禁じ手
書き出しから続く文章の推敲に入ります。
ここでですね。大事な事があります。
長編の場合は大体10万文字を目指すわけなんですが、序盤の1万文字で設定を出し切るのが理想なんですね。
できれば3000文字以内で、「いつ、どこで、誰が、何をするお話」というのを読者に分かりやすく、且つ、面白そうに伝えなくてはいけません。
ここで、かなり強い引きが必要なんです。
ウェブは特に毎話、山場、引き、伏線を巧妙に散りばめるという技術が必要になってきます。
最低でも5万文字ぐらいまでは気を抜かずに、物語を進めつつ、文章を練っていきましょう。
1話全文がこちら
https://kakuyomu.jp/works/16817330647574353275/episodes/16817330647575015298
どうでしょう?
「いつ」春一番が吹く頃。
「どこ」日本の繁華街(新宿をイメージしてます)
「誰」池平智也、28歳
「何をする?」失恋の痛手を抱えたまま合コンに連れて行かれた
一応、一話3000文字以内にどうにかこれらの情報は散りばめられてますね。
全体的な構成としては悪くないかもしれませんが、冗長に感じる部分も多いので整理していきます。
推敲っていうのは文章を磨き上げる作業なんですが、削る事から始めます。
もう流れも結末もわかってますから、要不要がはっきりしてきますよね。
無駄な描写を削って更に必要な描写を足していくという作業になります。
では行ってみましょう。
◆◆◆
夜はまだ随分冷え込むというのに、街は華やかなパステルカラーに彩られ、桜ソングで賑わっていた。
もうこんな季節か、と改めて驚く。
去年のクリスマスイブで止まっていた僕の時間は、まるで無理やり再生ボタンを押されたかのように動き出した。
「めっちゃかわいい子用意してるからな。びびるなよ、親友!」
僕を親友と呼ぶ知人の吉井は、いやらしく口の端を上げた。
「ご忠告どうも」
元同僚の吉井が開催する合コンは、確かに女の子のレベルが高いと定評がある。それなのに、全く驚かないのは吉井がこうしてハードルを上げるからである。
・・・・・・・・
【改稿後】
夜はまだ随分冷え込むというのに、街は華やかなパステルカラーに彩られ、桜ソングが至るところで流れていた。
去年のクリスマスイブで止まっていた僕の時間は、まるで無理やり再生ボタンを押されたように、不本意に動き出した。
「めっちゃかわいい子用意してるからな。びびるなよ、親友!」
僕を「親友」と呼ぶ知人の吉井が、いやらしく口元をゆがめた。
「ご忠告、どうも」
吉井が主催する合コンは、確かに女の子のレベルが高いと定評がある。
それでも毎回全く驚かないのは、彼がいつもこうして、無駄にハードルを上げるからである。
・・・・・・・・・・・
あまり削る所なかったんですけど。
実をいうとですね、これを書いてる段階でまだ、吉井君をどんな風に使うのか曖昧だったんですね。
作中でもけっこう曖昧な立ち位置で、上手く彼を活かせなかったので、改稿版では彼に一癖付けようかなと思ってます。
なので、こんな感じで推敲してみました。
いかがでしょう?
吉井という人物像に少し目線が行くんじゃないでしょうか?
それと、この1話目のEPで、現代ドラマにおいて、絶対に今ではやらない禁じ手を僕はやっちゃってます。
それは何かというと、序盤のEPで登場人物が多い!
これは、読者に混乱を招いてしまうので、序盤で同時に登場人物の名前を出すのは、二人ないし三人まで、ですね。
読んでて、脳が疲れちゃうんですよね。
なので、このEPは2話に分けるとちょうどいいのかなって感じです。
今日は、以上になります。
お付き合い、ありがとうございました^^
ではまた(@^^)/~~~
伝える技術 神楽耶 夏輝 @mashironatsume
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