『待合室』
待合室、というほどだから、きっと向こうも俺のことを待っているのだろう。文字通りの待ち合いだ。
俺は待合室に座った。隣に座る老人がせき込む。青い朝日が緑色の長い椅子を照らしている。俺は彼女のことを思い出し、唾をのんだ。月並みな表現ではあるが、彼女のことを考えると胸が痛む。月並みに大きい思いを俺は内に抱えていた。患者と医者。別に禁断の関係というわけでもないだろう。
彼女は俺の初恋だ。俺は持病の治療と引き換えに、恋の病を患った。
少しして名前が呼ばれ、彼女と会えた。俺は耐え切れず伝えてしまった。彼女へのを思いを。
「君を思うと夜も眠れないんだ」
彼女はひとしきり困惑を終えると、照れ臭そうに笑った。
「ええ、医者の不養生じゃないですか」
図書館 宇宙(非公式) @utyu-hikoushiki
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