年賀はがきの値上げ&配達数減少に見る詐欺師の手口LV1

加賀倉 創作

⚠️詐欺師飛び出し注意⚠️

 どうも、占い師から「あなたは詐欺師に向いている」と、言われた経験のある加賀倉です(逆にもしその占い師が詐欺師なら、あなたは詐欺師に向いている、発言は無効になるので、私は詐欺師ではない可能性もあります)。


 2025年に入って、こんな見出しのニュース記事がありました。


「年賀はがき、35%値上げしたところ34%減少」


 そう、昨年10月からの郵便料金の値上げは、もちろん年賀はがきにも適用されるわけです。


 ところで、この見出し、少し言葉足らずな部分があるように思います。


 とは言え、言わんとしていることはわかるので、しっかり意図を汲み取って補足してやると、こんな具合でしょう。


「35%上げたら34%下がった。各種コスト増を背景に、売り上げ増加・利益追求のために値上げを実施した結果、値上げした分の買い渋りが起き、ほとんど相殺してしまった」




※この時点で異変に気づかれた方はこの先を読んでもあまり意味がありません、ありがとうございました。そして有益な情報・考えを示せずすみません。




 なるほど、そんなのはよくある話です。


 いや……


 ちょっと待ってほしいです(誰に言っているのだ)。


 さっきの、「汲み取ってやった意図」なるもの、これは……


 とんだ詭弁デタラメです。


 実は、これには数字のトリックがあります。いやもっとストレートに言えば、詐欺です。


 ここで、しっかりと「売り上げ」を計算してみます。


 まず前提として、年賀はがきの料金は、2024年9月30日までが63円、2024年10月1日以降は85円となっています(値上げ額は22円)。


 85÷63=1.349206349206349……


 値段が1.349倍ほど上昇、つまり135%ほどになっているわけですから、35%値上げ、と確かに言えます。


 そして、仮の数字ではありますが、2023年に、1億枚(キリのいい数字)売れていたとします。


 それが2024年は34%減少(乗算するなら1-0.34=0.66、これを掛ければよい)していたのですから、2年の比較は、以下のようになります。



 2023年(値上げ前)

 63円×1億枚=63億円


 2024年(値上げ後)

 85円×1億枚×0.66=56.1億円



 2024年の売上は、前年度に比べて6900万円減少したことになります。


 ……???


 相殺どころか、めっちゃ下がってるやんけ!


 ちなみに、ここまで敢えて明言してこなかった(=隠してきたことがある)のですが、34%減少、というのは、「配達枚数」が34%減少、ということを意味します(購入された100%は使われないであろうことを考慮すると、売り上げは34%減少よりもマシになるでしょう)。


↓一応、ソースの記事です。

年賀状の配達始まる 利用者減少と値上げで枚数は過去最少に

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250101/k10014683821000.html



 35%値上げして、34%配達枚数減少と聞くと、数字の上のみでは相殺しているがありますが、実際には日本郵便は、大ダメージを喰らっている(6900万円のダメージではないです、それは仮の数字でしたね)。


 もちろん今回の例の場合、最初から年賀はがきの最終的な「売り上げ」を、前年度と今年度の分両方とも、示してしまえば、こんな小手先の詐欺はすぐにバレてはしまいますが……


 何者かがこのような小賢しい数字のトリック(というか誤解を招く表現、隠蔽工作ですね)を、絶え間なく大量に、我々が普段得る情報に紛れ込ませているとすれば、受け取り手がよっぽど警戒心が強く頭の切れる猛者でない限り、多かれ少なかれ、何らかの誤った認識を植え付けられてしまうように思われます。


 そのような恐ろしいことが現実に起こっているかどうかはわからないですが、詐欺師による数字のトリックには、警戒する癖をつけておいた方がいいのかもしれません。



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年賀はがきの値上げ&配達数減少に見る詐欺師の手口LV1 加賀倉 創作 @sousakukagakura

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