システムに導かれた異世界召喚

@neinu25

第1話 プロローグ

俺の名前は福田浩孝ふくだひろたか16歳のピチピチ高校生だ。

 両親は昔から放任主義で俺は自由に育てきた、まぁ…自由な分遊び過ぎていつもテストは赤点ギリギリなんだが…。

 そんな俺は今同じ馬鹿仲間の和樹かずきに昨日電話で、

「カッパ探しにいこーぜ!」

 と誘われて朝の5時12分から電車で山があるところまで向かっている。

 正直俺達はこう言う事ばっかやっているから彼女ができないんだと思うがこういう馬鹿な事が楽しいから仕方ない。

 早くから家を出ただけあってまだ辺りは薄明るい。

「眠……」

 目的地までまだもう少し時間あるし少し寝るか?とボー…っと外を眺めながら考えていた時スマホに通知が来た。

「俺もう着いたけどお前後どれぐらいかかる?」

 遅刻したかと焦り時間を見てみるが待ち合わせの時間までまだ30分近くある。

「お前早すぎwこっちは約束の時間には着くから待ってて」

 送ろうとした瞬間視界が歪み酷い頭痛が襲ってきた。

 頭が割れそうなぐらい痛い………もしかしてカッパを探そうとし祟りか…?、

 そんな事を考えながら頭を押さえていた時、目の前に謎の画面が現れた。


【貴方は召喚者に選ばれました】


「……は?」

 意味が分からない、召喚者?そもそもなんなんだこの画面は…あまりの頭痛に幻覚でも見てるのか?。

 それとも漫画の読みすぎか?カッパの祟りか?

 そんなくだらない事を考えている間も和樹からのしつこい通知が鳴り止まない、

 本当にうるさいこっちはよく分からない事になってるというのに…


【転送を開始します】


 その文字が画面に出た瞬間さらに頭痛が酷くなり、顔を歪め意識が少しずつ薄れていくのを感じる。


「本当に異世界召喚…?」


 もし本当に異世界召喚なら勇者になって無双してモテモテになって魔王でも倒して讃えられたいな。

 ……あー…異世界召喚されるならせめて和樹にカッパ探しに行けないって伝えないと……、どっちにしろこの状態で和樹と馬鹿やれる自信はない。

 そうだ、異世界に行けたら両親や和樹にも写真送ってやろう…異世界で無双してかっこいいドラゴン仲間にしてそれで…

 いまだに鳴り止んでいないスマホに手を伸ばす。


「返事…しないと…」


 俺の意識はここでなくなった、まさか地球での最後の最後がこれになるなんて思いもしなかった。

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