第2話 続ぶらり観音商店街と異世界人とラーメン
︎︎たこ焼きを片手に十字路を渡ると昔あった先割れスプーンが有名なチェーン店のラーメン屋が無くなって他の店になっているのが見えた
(あの豚骨スープのラーメン、子供の頃から食べてるせいかたまに食べたくなるんだよなぁ…確か商店街の端っこに他の店舗もあったし、そっちで昼飯食べてもいいなぁ)
そんな事を考えながら歩いていると、ピザ屋と水タバコが吸えるトルコ料理店が見えてきた
「あー、親父と一緒にここで飯食ったなぁ…一服するなら灰皿もあるしここでも良いけど、喫煙家には厳しい時代になったよなぁ」
トルコ料理店の外のテラス席にはちょうど水タバコを吸っているお客さんが見えた
(お?あの体格に髭面はドワーフの混血かな?…いや、どうだろう?普通に元の世界にもいそうな気もするし…こっちの人もあんま見た目変わらんから、わからんなぁ…)
あまりジロジロ見るのも失礼かと視線を前に向けると、綺麗な水色の髪をした女子高生や紫色の髪のオバチャン、金髪に銀髪が入ったサラリーマンなんかも見える
(黒髪が多いと言っても他の髪色が地毛なのか染めてるのかもさっぱりわからんよなぁ…)
しばらく人混みを眺めながら歩くとまた十字路が差し掛かった
(さっきの結界すぐに消えちゃったからなぁ…ちょっとだけでも現場見たかったなぁ、まぁ興味津々に見てるのなんて野次馬か私ぐらいだろうけど、普通の人は気にもしてないってのも変に感じるけど見慣れてんだろうなぁ…これもカルチャーショックって言うのかね?)
十字路を真っ直ぐ渡ろうとした時、右手に見える歩道に蜃気楼のようなモヤがあるのに気づいた
モヤの中には道があり、道の両脇には居酒屋や小料理屋があるのが見える
「お?なんて言うんだっけこれ?裏道?いや…なんだっけ?霊道?いや、霊が通るわけじゃないしな…わからん…まぁ、気にはなるけど昼はラーメンにしたい気分だしなぁ…」
(変なとこ迷い込んでもスマホで地図確認出来るから気楽に行けるのは良いけど、不思議だよなぁ…)
︎︎モヤを右手に見ながら、今度夜にでもモヤの先の居酒屋に行ってみようかなぁなんて思いながら十字路を過ぎ、また人混みの人達を横目に見ながら商店街を黙々と歩いていると招き猫のオブジェクトが見えて来た
(ここの周りもだいぶお店変わったよなぁ)
招き猫がシンボルになっている広場の周りには、メイド喫茶と薬局が対面に並んでいるの見て昔ここ何があったかなぁ…なんて思いながら先割れスプーンのラーメン屋に足を進める
「うん、やっぱりあっちでもこっちの世界でも昔から変わらない思い出の味って大事だよねぇー」
転生先が日本だったけど、前世と違うみたいなので散歩するだけでも楽しい アンサンブル @semble
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