第2話 異世界転生2
何が起こっているのか、全く理解できない。
目の前には見知らぬ風景が広がり、俺はただ呆然と立ち尽くしていた。
「そこのバイト君! カメラのMPが減ってきたからポーションもらえる?」
突然、近くにいたカメラマンらしき男が声をかけてきた。
その一言で、ようやく我に返る。
「え……ポーション?」
戸惑う俺をよそに、カメラマンは焦った様子で続ける。
「ほら! インベントリ、早く開いて!」
インベントリ? 何のことだ……? そう思いつつも、体が勝手に動いた。
慣れた手つきで、見知らぬはずの『インベントリ』を開いていたのだ。
その瞬間、目の前に広がったのは透明なウィンドウ。
そこには数多くのアイテムが並んでいる。
(なんだこれ……俺、一体どうしちまったんだ?)
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【インベントリ】
カメラポーション:3
収録台本:10
カンペ:2
テープ:1
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言われるがまま、俺はインベントリからカメラポーションを取り出し、
カメラマンに手渡した。
「サンキュー助かる!」
カメラマンはポーションを受け取ると、手際よくカメラに注ぎ込む。
その間も撮影現場は慌ただしく動き続け、俺はただ立ち尽くすばかりだった。
やがて、撮影が終わったのだろう。スタッフたちが道具を片付け始めた。
「これ、今日のバイト代ね。」
関係者らしき男がそう言いながら、硬貨の入った布袋を手渡してきた。
中を開けてみると、銀貨が5枚入っていた。思わず指先で確かめながらつぶやく。
「銀貨5枚か……。とりあえず今日の寝床くらいはなんとかなるか。」
布袋をしっかりと握り締め、
解散したその足で俺は情報を集めるために近くの街へと向かうことにした。
目の前に広がる石畳の道と活気ある商人たちの声。
異世界らしい雰囲気の中、俺はまだ知らないこの世界へと一歩を踏み出した。
転生したら異世界テレビ局のADだった件について @potterman
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