日常のぼやき

深海亮

とんでもなかったよこの数年

 この数年どんな年、だったのか。どうやって乗り切ってきたのかな、と久しぶりに落ち着いた年末なので振り返りました。

 まず三年前に父が急死。正直仲の良い家族ではありませんでした。

 両親は幼い頃から喧嘩ばかりでしたし、家庭内別居状態。そんな二人を見て育った、わたしを含めた子供たちは結婚願望などありもせず。年末年始も集まることなくバラバラな状態で。それほどまでに崩壊していた家庭でした。

幸いにも、きょうだいの仲は良かったので、そこだけは救いでしたね。結託するしかなかったので。

 ただ年々険悪になっていく両親を見て、そろそろ離婚か別居を考えたらどうかという話が出ており、どちらかと暮らす覚悟した矢先でした。父が急死したのは。

 亡くなる数日前に入院していましたが、数週間で退院の予定と聞いていたので、突然の危篤連絡に驚きました。人工呼吸器つけ、昇圧剤投与しても血圧維持できていないと。

 移動しながら電話で主治医からDNRかfullか問われ、自分の仕事の経験からDNRを選択しました(蘇生処置するかしないかで、しないを選択したということです)。母親は何も考えられなかったようで、父親自身は曖昧な答えしか残しておらず、わたしに一任されてしまったのです。わたしのきょうだいも「悪いけど判断任せるわ」で……。

 ほんと、まじでちゃんと自分の緊急事態くらい意思表示しといてくれや、と思ったものです。

 わたしは管に繋がれ、無理やり命を繋がれている状態はどうにも受け入れ難く。

 患者本人、そして家族の負担も仕事柄よく理解していたので。

 それで蘇生は断り父を看取りました。今振り返っても、苦しまずに旅立てたと思います。心肺停止まであっという間だったそうなので。

 父と仲の悪かった母ですが、さすがに放心状態でした。やっぱり嫌いでも長年の付き合いだったので、思うところはあったのでしょう。わたしも同じくそんな感じでした。よく分からない父親でしたが、優しい思い出は残っていますし。冷たくあたりすぎてしまったよな、と後悔することもあります。とはいえもう過ぎてしまったことで、どうしようもないのですが。

 話は戻りまして、父を看取った後は親族に連絡してお葬式の段取り。そして手こずった諸々の手続き。

 自分が何かあったときのために、銀行や入っている保険の種類、家の相続など話し合ってまとめておいた方が本当に良いと思います。これがまー大変でした。コールセンターのように電話しまくりました。

 幸い我が家は揉めたりしませんでしたが、この手続きがものすごく疲れました。

 四十九日が済んでから実家の片づけ。これがまたもや大変で。

 実家は一軒家なのですが、粗大ゴミばかり……。もったいない精神は分かるけれど、断捨離はしておかないと子供の世代に負担を負わす羽目になる、と本当に思いました。

 結構な費用が飛んでいきましたが、業者の方々の手伝いなくして無理でした。本当にありがとうございました

 それでやっと一息ついたら、次は長年寝たきりだった祖父が亡くなり。

 そのころから祖母も認知症がひどく、交代制で介護というか見守りをしていたので、お葬式中は祖母の付き添い。

 祖父の手続き関連が落ち着き、これで少しは落ち着ける……と思ったら、次は祖母の身に病気が忍び寄り。

 祖母は体は元気だったので、亡くなる時は老衰かなと予想していたのですが、九十過ぎてからがんが見つかり。

 治療は選択しませんでしたが、そこから本格的な介護が始まりました。

 家族たちはみんなストレスで気が立つし、認知症の祖母は泣くし、よくこんな中で作家活動してたよな、と本当に思います。それが気分転換だったのかもしれませんが。

 そして今年祖母を見送り、秋になって落ち着けるようになりました。祖母は幼い頃から面倒を見てくれていたので、本当に寂しいですが、苦しみから解放されて良かったと思います。

 また仕事で知り合い、プライベートでも仲良くして下さっていた方との別れもあり、本当に悲しい年でした。娘のようにかわいがって下さり、ご本人様、ご家族様には感謝しきれないほどです。仕事をやっていて良かったと思う反面、こういう時はやはり堪えます。けれども葬儀に呼んで下さり最後のお別れもできました。

 本当に本当に、こちらがお世話になりました。

 

 ……とまぁ、毎年続けてストレスがかかりすぎたのか、今度は自分の体がボロボロで。秋から冬にかけて立て続けにオペ二件、本当に疲れ果てた年であり、怒涛の数年でした。よくそんな状況で働いてきたな、って感じです。


 執筆の方は、趣味の範囲でぽちぽち書いてはおります。

 とはいえ、もやもやしたままですけどね。

 もやもやしてたことに思い切って向き合おうとしたら、肩透かしを食らったままなので。

 え、なんやねんこの中途半端って感じで。不信ってこういうことを言うんだろうな、と人生で初めて経験しました。白黒はっきり蹴りつけへんのかい、ってな感じですね。ふわふわした結論は一番嫌いだと再認識しました。


 ということで、しばらくは好きなことを水面下で書き散らしていこうと思います。

 色々と試行錯誤しつつ、また公開できる日が来るまで。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

日常のぼやき 深海亮 @Koikoi_sarasa

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ