第6話:炎の神殿


 オイルでテカテカになったお尻って最高だよね。


 普段は衣服によって隠されている尻が露になり、ヌルヌルの油で犯される様は筆舌にし難いエロスを醸し出す。

 そして、エロスだけでなく神秘性も醸し出すのだから、実に奥が深い。


 オイルに濡れて光沢を帯びるそれは、光に照らされるとダイヤモンドのように虹色の光を放つ。近づいてみれば、鏡のように反射し覗き込む顔が映し出されることに間違いはない。デカケツを覗き込むとき、デカケツもまたこちらを覗いているのだ。


 古来より、光を反射する鏡は神聖視されてきた。

 そして、子を産む女性の身体も神聖視されてきた。


 日本で例えるならば、鏡は八咫鏡やたのかがみ

 女性の身体は土偶である。


 土偶が女性の身体を?


 そう、思った方は社会科の教科書を開いて、土偶の写真を見て欲しい。

 上半身が横に広く、真ん中は細い。そして下半身になるとまた横に広くなる。

 この形に皆様は覚えがないだろうか?


 そう、ボン! キュ! ボン! の体形である。

 まずは上半身の広がり。これは母性の象徴の胸である。大きければ、大きい程母性を表す。

 そして、真ん中の細い胴体。こちらはクビレだ。細いのはまだ妊娠をしていない証左。

 最後に、下半身の広がり。当然デカケツである。子を孕み、産み落とすための神聖な部分。

 胴体のクビレとの太さに、大きな違いがあればあるほど、今から自分の子を産ませられると興奮が増してくる。


 つまり、土偶とは縄文時代のエロフィギュアなのだ。


 なに? そんなわけがない? 確かに、現代の我々が見ても土偶で興奮できる人間はまれだ。

 だが、現代のエロフィギュアをよくよく見れば、土偶の特徴が備わっていることに気づくはずだ。


 アトリエのラ〇ザのフィギュアを例にあげよう。

 ゲームをプレイした、していないに関わらず多くの男性がお世話になったであろうキャラだ。

 僕も一時期はあの太ももからお尻のラインに、愚息を挟み込む妄想で何枚もティッシュを消費したのを覚えている。


 と、話がズレたが、ライザと土偶を比較してみよう。


 まずは上半身。土偶は大きい。ラ〇ザも豊かな胸で大きい。

 次に腰部分。土偶は細い。ラ〇ザもクビレで細くなっている。

 最後に下半身。土偶は巨大。ラ〇ザも代名詞の太ももと尻で、巨大。


 これで分かっただろう。土偶=ラ〇ザ=エロフィギュア。

 つまり、土偶とは縄文時代の男の性欲の限りをぶち込んだエロフィギュアだったのである。

 ブラックライトを当てれば、ルミノール反応が検出されることは想像に難くない。


 そして、現代から2000年もたてば、ライザにもまた土偶のような祭器扱いされているだろう。


 恐らくは未来人はこう考察するだろう。

 現代人は、少子高齢化による人口減少に見舞われ、それを解消するために女性の象徴たるエロフィギュアを作り、神棚のように各々の家に奉ったと。また、祭事の際には子孫繁栄を願い、エロフィギュアに子種を振りまく神事が行われていた。宗派の違いにより、祭事が終われば綺麗に洗う宗派。そのまま冷凍庫に入れて、固めていく宗派に分かれていたのだと考察されるに違いない。


 故に、土偶もまたそのような頓珍漢な考察の上で、祭具だったと言われているだけで、実際はエロフィギュアだったとしても何もおかしくはないのだ。


 故に鏡+土偶の特性を持つ、オイルでテカテカのデカ尻は神聖なものであると証明できる。



 さて、ここまでデカ尻の神聖さについて話をしてしまったが、そもそも何故オイルでテカテカのお尻が素晴らしいと言い出したのかと言うのか。それには、もちろん理由がある。それは。



「パイラの作った『ファイアポーション』で体は燃えないですんでるけど……防具を変えないといけないのは痛手ね」

「『ファイアポーション』は飲んだら、ファイアウルフと同じで、体から汗の代わりにオイルが出て、燃えなくする薬。当然、服までは燃えるのを防げないわぁ」

「だから、ファイアウルフの毛皮で出来た服を着てるんだろ? まあ、皮の装備じゃ心許ないのは分かるけど、しゃあねぇだろ」


 パーティー全員が、ファイアウルフの毛皮で出来たパンツとブラジャーをつけているからだ。

 いや、まあ厳密にはビキニと言うべきかもしれないが。

 とにもかくにも、パーティーの今の服装は衣服が燃えないために、毛皮のブラとパンツである。

 つまり。


(普段はズボンの下に隠れている、ヒルダさんの白磁のお尻が、油でテカテカになって僕の目の前に! それにパイラさんの筋肉が少なくて、たるんだデカ尻からオイルの汗が滴ってとんでもないことになってる!)


 普段はお目にかかれない、衣服の下のデカケツが露になっているのである。

 しかも、オイルでテカテカに輝いた状態で。絶景かな?


「南の四天王の居る『炎の神殿』は過酷な環境とは聞いていたけど、ここまでとはね」

「マグマの熱で体力を奪って、防具も金属製の物は使いもんにならねぇ。武器だって、手袋越しに触れねぇと火傷するぜ」

「フリットちゃんも大丈夫? お水があるからいつでも言ってね」

「はい、ありがとうございます」


 水より、そのデカケツに滴る汗を余すことなく舐め上げたい。

 思わず、そう言ってしまいたくなるのをグッと堪えて僕は前を向く。


 プルプルとパンツ一枚だけ羽織った、デカケツが三つ並ぶ。


 ヒルダさんのずっしりと重そうな、白磁の尻。

 アイリスさんの筋肉質で張りのある、褐色の尻。

 パイラさんのだらしなく垂れ下がって紅潮する、桃色の尻。


(これが三ツ星レストランの最高級の肉…!)


 僕は檻に入れられた空腹のライオンだ。

 目の前で、美味しそうな油の滴る極上の肉があるというのに、それを口にすることは出来ない。

 僕の愚息もパンツという名の檻の中で、しきりに暴れまわっているが抜け出ることは出来ずにネバついた涎を流すだけだ。


(お、おちつけ、僕の愚息! 今の状態で勃起したら絶対にバレる…!)


 全身から汗の代わりにヌルヌルとした油が流れ、デカ尻を伝って又の間から零れ落ちる。

 そんな光景を見て、勃起しないのは男ではない。

 しかし、普段のローブ姿と違って、それを隠すことは出来ない。


 何故なら、先程も言ったようにが、ファイアウルフの毛皮で出来たパンツとブラジャーをつけているからだ。


 そう、全員だ。


「うふふ、でもみんなでお揃いの服を着るなんて、何だか面白いわねぇ」

「ダンジョンじゃなかったら、記念撮影でもしたかったわね」

「やめてください。恥ずかしくて死んでしまいます」


 当然、僕もファイアウルフのビキニを着ている。

 その事実を思い出すと、自然と僕の股間は萎えていく。

 後、パイラさんはビキニを着る段階になってやっと、僕が男だと気づいたらしい。


「別にいいじゃねえか。似合ってるぜ」

「僕は男なんですよ……おかしいでしょこんな服装」

「あらあら、とっても可愛いわよぉ」


 3人のヌルテカデカ尻が見れたのは嬉しい。

 だが、そのために男の身でビキニを着るなんて、死にたくなる。

 ショタのビキニ姿とか一体どこ需要だろうか?


「……男性ってそんなに女性と服装が変わるの?」

「え? いや、まあ……僕も他の男性とあんまりあったことないですけど」


 そして、ヒルダさんが首を傾げるように、この世界の女性はそれがおかしいとは思えない。

 だって、男女1:9999なのだ。男を見ることが稀なので、見る服は基本女性ものだ。

 現実世界のスカートだって、女性が着るという固定観念があるが、民族衣装のキュロットは普通に男性が着る。そして、それをおかしいとは思わない。だって、別に女性だけが着るものと思われていないから。


 故に、男性がほとんどいないこの世界では、そもそも男性が着るべき服という概念がない。

 僕が普段着ているローブだって、実は女性用だ。

 というか、市販の服に男性用などない。だって男女比1:9999だから。

 売れないものは作らない。需要と供給の原理である。


「と、話してたら、お目当ての場所に着いたぜ」

「炎の祭壇……ここにレッドフェニックスがいるんですねぇ」


 そんな世界の残酷な事実に打ちのめされていたが、すぐに気を引き締める。

 もうすぐボス戦である。気を緩めたら、普通に死にかねない。


「レッドフェニックスは当然飛ぶわ。地面に近づけば、私達でも攻撃できるけど……基本はフリットの魔法が武器になるわ」

「はい、任せてください」


 何より、空飛ぶ不死鳥を倒すには魔法は必須。

 僕が決めなければならない。


 一つ大きな深呼吸をして、熟女の醸し出す汗の匂いを堪能しながら、僕はボス部屋に入っていくのだった。






「ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー!」


 ひたすら無心で、手からウォーターレーザーをレッドフェニックスへ放ち続ける。

 当然、レッドフェニックスは空を飛んで逃げようとするが、そうはいかない。


「フリット、しっかり捕まっていて! レッドフェニックスを追うわよ」


 何故なら、僕をしたヒルダさんに追尾されているからだ。


「よし、いいぞ2人とも! その調子で回復する暇を与えんな! 防御はアタシがする」

「疲れたら回復は私に任せて頂戴ねぇ」


 このレッドフェニックス。戦い方がかなりせこい。

 フェニックスと言うより、朱雀みたいな見た目なのは目をつぶろう。

 だが、こいつはボスのくせにヒットアンドアウェイ戦法を使ってくる。


 火を吹いて撤退。火を吹いて撤退。火を吹いて撤退。

 こっちの攻撃が当たったら、撤退してフェニックスの能力で回復。


 こんな感じの戦いを永遠と繰り返してくるのだ。

 もちろん、そんな戦いではこちらも致命傷は追わない。

 だが、辺り一帯のマグマの暑さで体力を削られ、ファイアポーションの効力も段々と無くなってくる。


 そうして、こちらのタイムオーバーを狙ってくるのが、このファッキンバードである。

 それでもボスキャラか、てめえ。


「その調子よ、フリット! 頑張って!」

「ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー!」


 故に、僕達は策を考えた。

 逃げられるなら、地の果てまで追って回復する間を与えなければ良いと。

 その結果が、ヒルダさんに肩車される僕である。


「ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー!」


 魔法使いの僕は機動力がない。そのため、攻撃を当てても逃げられたら追えないのだ。

 そして、ヒルダさんは機動力はあるが剣が武器なので、空飛ぶファッキンバードには攻撃できない。

 だからこそ、ヒルダさんが足となり、固定砲台の僕を動かす。

 これが、移動砲台作戦である。


「ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー!」


 先程までのお礼返しとばかりに、溢れるMPでファッキンバードをボコボコにしていく僕。

 威力はまあまあだが、連射性を上げれば十分にダメージを与えられる。

 故に、無心で魔法を放つ。


 いや、実は無心でいようとするのは別の理由があるのだが。

 もう一度説明すると、現在の僕はヒルダさんに肩車されている。

 そう、ヒルダさんの肩に足をかけ、落ちないように太ももで頭を掴んでいる状態。

 何より――


(ヒルダさんの綺麗な髪が僕の股間に当たっている!)


 おちんちんをヒルダさんの後頭部に押し付けている状態なのだ。

 後、髪の毛からめっちゃいい香りがする。


 しかも、今は僕の下は皮のパンツ一枚だけ。

 ほぼダイレクトに髪の柔らかさと、温かさが伝わってきてヤバい。

 そして、足もヒルダさんの豊かな胸に当たってとても気持ちいい。

 何もなければ、もうこの時点で賢者に至っていただろう。


「ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー!」

(無心だ! 無心で魔法を唱えろ! 流石にこの状態で勃起したら、絶縁される!)


 必死に心を殺して、魔法を放つ。

 もう、MPを空っぽにして強制的に勃たなくするぐらいに連射する。


「フリットちゃん、ヒルダちゃん。回復よ!」


 だが、パイラさんの回復魔法を当てられると再び元気になる。上半身も下半身も。

 なので、僕は再び無心になって魔法をファッキンバードに放つ。

 さっきからこれを永遠に繰り返している。

 そして、またこれが続いて行くのかと思った時。


「糞鳥が地面に降りて来たぞ!」

「一気に畳みかけるわよ!」


 回復が出来ずに、いい加減体力が切れて来たファッキンバードが地面に降りて来る。

 そして、それを逃がす程、ヒルダさんとアイリスさんは甘くない。

 僕は、手を緩めると勃起しそうなので相変わらず魔法を唱え続ける。


「ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー!」


 鳥は空を飛ぶからこそ、生き残れたのだ。

 地面に落ちた飛べない鳥は、ケンタッキーでしかない。


「ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー! ギガ・ワッシャー!」

「フリット? もう、大丈夫よ。レッドフェニックスは死んだわ」


 ヒルダさんに太ももを撫でられて、思わず勃起しそうになって手を止める。

 一心不乱になって魔法を唱えていたので、死んだのに気づかなかったらしい。

 よし、死んだのなら勃起する前に早いところ降りよう。


「見ろよ、これ。『不死鳥の羽』だ。とんでもない貴重品だぜ?」

「頑張ったかいがあったわね、フリットもお疲れ様……フリット…?」


 あれ? ヒルダさんの肩から降りようとするが、体が動かない。

 あ、この感覚はいつもの……。


「フリット! しっかりしなさい!?」


 魔力を使い果たして、気絶する感覚だ。






「大丈夫ですよ、ただ疲れて眠ってるだけみたいです」

「そう……よかった」


 炎の神殿を出た場所で、パイラの診断を受けたフリットを膝枕しながらヒルダがホッと息を吐く。

 単なる魔力切れなら、回復すれば何とかなるだろう。

 熱中症とかではなくて本当に良かったと、彼女は豊かな胸を撫で下ろす。


「あのー……フリットちゃんっていつも魔物にはこんな感じなの?」


 パイラが問いかける。

 アイリスは少し離れた場所で、見張りをしているので答えられるのはヒルダしかいない。


「そうね……出会った時からそうだった。魔物相手にはとにかく徹底的に殺していたわ」

「それはどうして……」


 パイラが思い出すのは、フリットが感情が抜け落ちたような表情で魔法を使う姿。

 まるで、何かに憑りつかれたかのように。何か激情を抑え込むように。

 そんなどこか異常な姿。


「この子はね……私が森で拾ったの」

「……捨て子なの?」

「この子は男よ? 捨てるぐらいなら売った方がいいわ。それで一生遊べるでしょうし」


 森で拾った男。

 それはこの男女比1:9999の世界では、基本的にあり得ないことだ。

 男は貴重な存在だ。表立っては、人身売買などはないことになっているし、普通の人は考えもしないが、出すとこに出せば高値で


「捨てられてない……だったら」


 パイラが口を閉ざす。

 親に捨てられていないのに、森の中に1人で居た。

 そこから考えれば、最も可能性が高いのは。


「魔物に殺されたんでしょうね、この子の親は」


 親が殺されたということだ。

 まあ、全くの勘違いなのだが。


「じゃあ、魔物に対して過激なまでに攻撃するのは……」

「復讐心でしょうね。この子にその自覚があるかは分からないけど」


 フリットの頭を撫でながら、ヒルダが答える。

 魔法の連打とは言い換えれば、包丁でめった刺しにすることと同じである。

 裁判になれば、強い殺意があったとして刑罰が重くなったりする。

 まあ、本人は勃起を抑えるために連打しているだけだが。


「きっと、この子は放っておいたら、復讐心で平気で死ぬような真似をしかねない。そう思ったから、旅に連れ出したの」


 フリットは傍から見れば、復讐に囚われた子供のように見える。

 だから、ヒルダは危険な魔王討伐の旅であっても、連れだしたのだ。

 放置すれば、大変なことになると判断して。

 なお、大変なことになっているのはフリットの股間だけであるが。


「あなたも出来るだけでいいから、この子のことを気にかけてあげて。この子はまだ若いんだから、ちゃんとした道に戻れるように」

「ええ……私もこの子のお姉さんとして頑張るわぁ」


 パイラも前かがみになって眠るフリットの頭を撫でる。

 きっと、彼が起きていたら迫る胸の谷間で、勃起の危機に陥っていただろうが、幸か不幸か今は寝ている。


「ありがとう……ねぇ、フリット。ちゃんと幸せになるのよ」


 どうか、この子が復讐心に振り回されることなく、幸せになりますように。

 そう、願いを込めてヒルダはフリットの頬を撫でるのだった。



 当の本人は、復讐心よりも下半身の欲望の方に振り回されているとも知らず。



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パーティーメンバーがデカケツ熟女しかいない トマトルテ @tomatorute

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