方言詩 新春特別編

栗栖亜雅沙

さらめぎした

「今の人は、

何さでもマヨネーズ掛げんだどな。

あんだいもすか?」

(あなたの家もですか)


うぢのばあちゃんさ

ぢゃっ子飲みのばあちゃんが聞いでだ


「なに、おらいの孫だら、

何さでもソース掛げすと。

(かけますよ)

おらいの息子は、

何さでも七味掛げっがら、

似だもの親子だべ。

ほんでもおら、

孫が豆腐にソース掛げだとぎ

さらめぎした」


「ばあちゃん、さらめぐって何?」

「さらめぐは、さらめぐだ。

寒気すっどぎ寒寒いぼ出っペ。

ばあちゃん、

豆腐さソースどが、

ケーキさマヨネーズどが聞ぐど、

ぞわぞわっどさらめぐんだ」


「何だが、

分がっだような分がんねえような。

とにかぐ、キモいごど言うんだな」


「何だ、そのキモいっつのは?」

「気持づ悪いの省略だでば」

「あんだだづだら、

ばあちゃんの喋っごど、

はっぱ(さっぱり)分がんねどが言うくせして、

わげ分がんねえ言葉こどばばり」(ばかり)


妹ど二人、

ばあちゃんの方言ど、

あだしだづ言葉こどばは、

よその言葉こどばみでに(みたいに)

通じねえ






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方言詩 新春特別編 栗栖亜雅沙 @krsagscat

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