路傍の石となる

扶良灰衣

路傍の石となる

路傍に轉がる

生死もわからない人

脆く儚く崩れ落ちる前の

やっと形を留めているような

風があたれば壊れそうな

保っていられる時は短い

踏まれた欠片は

砕けて轉がる

路傍の石に一瞥もない

人々にとっていつもの道の

路傍の石に僅かでも

気にとめたのは幼い子

濡れだした路から

蜘蛛の子を散らすよう

子供たちが屋根ある場所に

新聞にくるまった子供は

冷たい雨の

冷たい地面で

冷たく横たわる

揺られて歩く人達

欠けてることは分かってる

埋まることなど決してない

埋めようもないけど

欠片を探してる

もし 遺志 遺屍 縊死 死 シはし、シィーーー

「ふっと亡くなられたんだ、顔だけでもみてこうぜ」

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路傍の石となる 扶良灰衣 @sancheaqueous

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