『十方涼』の場合
ん〜気持ちの良い朝だ。
天気は快晴みたい。
声の調子もいい。
先週に喉を悪くしたんだよね。
おかげで、数日の間、ガラガラ声。
今日は林間学校だから中学校には行けない。
優司様には会えないけど、妹の優希さんがいるから、声をかけてみようと思う。
家族ならなんでも知ってるはず。
到着したみたいだ。
最初は山登りだから大変そう。
この体になって初めての山登り。
体力が続くといいけど、どうだろう。
あっ、
幼なじみだからって?
理由になってないよ、もう。
ふう、ふう、やっぱりきついなぁ。
体力が落ちてる。
そりゃそうか。
女の子なんだもの。
きついなぁ。
扇もそんなに水いらないってば。
まさかトイレに行かせるつもりじゃあ…。
男子だったときならいざ知らず、今は女子なんだって。
野ションはできないよ。
まぁ言わないけどね。
僕が女子なことは誰にもバレたくないんだ。
友達は友達でいたいんだ。
優司様に告白する時までずっと秘密さ。
なんだか後ろから視線を感じるなぁ。
ああ、
登り途中なんだから当然かな。
変な視線だったけど、あれは気の所為だよね。
ん?おっと危ない。
もし当たってたら、僕も倒れてたよ。
ヒヤヒヤだね。
今の僕じゃあ入学当初のように一式さんを受け止められないよ。
いやぁ、危ない危ない。
ん?どうしたのさ重蔵、止まんないでよ。
早く進んでよ、後ろがつっかえちゃうでしょ。
ふぅ、やっと頂上だ。
さてと、休憩だけど、あれは確か…。
扇、ちょっと水もらうね。
はいこれ、どうぞ、
そんなに驚かなくても…。
もう返却してくれるの?
でもこれ、まだ残ってるよね。
わっ!扇、急にぶんどらなくてもいぃんじゃない?
不衛生?
んー?
なにが?
よくわかんないや。
山を下りきったあとは、本日のメイン。
飯ごう炊飯だ。
僕は、お米が好きなんだよね。
この体になってから体重を意識するようになっちゃったんだけど、今日はいっぱい動いたし、沢山食べても問題ないよね。
ん?
どうかしたの重蔵。
お茶?
米には入れないでしょ。
あー、お茶って、そういう意味ね。
んー、どうかなぁ。
あーその日はダメだね、平日も無理。
そうそう、それならいいよ。
気が向いたら僕から連絡するから、待っててね。
さてと、あとは水だけど、どこかな。
あーあれか。
ん?
後ろで物凄い音がしてたけど、気の所為かな。
あれ?
いつの間にか隣にいるのは
丁度よかった。
お兄様の話を聞かせてもらう。
え?
どうしたの?
なんか怒ってるみたい。
僕何か悪い事言ったかなぁ。
このままじゃよくないよね。
あとで謝らなくっちゃ。
それはさておき、ご飯ご飯。
ちょうどあそこにあるのは炊き上がりそうだね。
おっと、今、扇と五島さんの声が聞こえたような気もするけど、まぁいいか、ご飯優先。
わぁ美味しそう。
いい香りだ。
あ!これは
へぇ料理できるんだ。
すごいね。
あっ、あっちのも炊き上がりそうだ。
見に行こうっと。
キャンプファイヤー始まったみたい。
僕はダンスなんて上手くはないけど、嫌いじゃないからね。
皆と踊るよ。
あっ、最初は六道さんなんだね。
よろしく。
さっきはごめんね。
もう許してくれるの?
ありがとう。
次は、五島さんだね。
眼鏡外すんだ。
へぇ、綺麗だね。
眼鏡無い方が美人さんだと思うよ。
次は、四手さんだね。
やっぱり上手いなぁ。
僕じゃあ相手不足だよ。
僕も見習おっと。
次は、一式さんだけど、その前にトイレにいこう。
女子トイレに入るとバレちゃうから男子側だけど、ここは林間学校。
学校ほど綺麗じゃないし、大きい方がなかったらどうしようかと思ったけど、バリアフリー対応のがあってよかった。
これなら安心だ。
僕の代わりは先生にお願いしたから、問題はなし。
んー、でも情報収集はあまりできなかったなぁ。
重蔵の誘いを受けるか否か、迷うなぁ。
6月の体育祭までにはって思ってたけど、それは無理っぽい。
こうなったら直接声をかけてみようかな。
体育祭中なら自然だよね。
うん、頑張ろう!
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十方涼がクラスの人の名を言うときは、苗字+さん付けです。重蔵と扇のみ呼び捨てです。
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今年からクラス友達の視線が気持ち悪くなったので困ってます 飯屋クウ @QKuuuuu
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