現実世界で買った剣、実は異世界最強の勇者の剣だったんだが!?おいおい、俺が伝説の勇者とか勘弁してくれよ!〜チートで歩む異世界RPG生活〜

四葉ちゃば

第1話 模倣武器屋

「うぉー!すっげぇー!」


 目の前に置かれた剣の木製を見て、俺は興奮していた。

まるでラノベかアニメに出てきそうな、ゴツくてデカい黒色の剣。こういうのが好きだって言うほどみんな馬鹿にしてくるが、俺はそんな事は気にしない。

 俺の名前は岡田真。都内に勤める普通のサラリーマンだ。

……普通と言っても、会社は一日14時間労働の超ブラック企業。毎日寝て起きて仕事をするの繰り返しだ。正直もう辞めたい。


 今日は何とか取れた有給を使って、俺は異世界をモチーフにしたあるイベントに訪れていた。

みんなが想像するような異世界だ。壁にはレンガ調模様が描かれていて、天井は空を催されて青く、所々イベントモチーフキャラである「スピカ」という美少女のパネルが設置されてある。

幼少期から異世界というものに憧れている俺にとっては、まさにオアシス!こんな素晴らしい場所は世界中どこを探しても見つからない!

 その中でも、特に俺はここの武器屋に惹かれていた。

斧、鎌、杖、剣。どれもプラスチックで作られたとは思えない程高いクオリティだ。


「欲しいなぁ……。」


 俺は剣を手に取り、まじまじと見つめる。すると、後ろから声をかけられた。


「お求めですか?」


 振り向くと、そこにはスピカと同じ格好をした店員が立っていた。

余程このイベントに気合が入っているのか、体型は彼女と同じくほっそりとしていて、胸も大きく、露出も中々に激しい。

……ああ、こんな美少女と異世界でイチャイチャできたらなぁ……

って、いかんいかん。だいぶ気持ち悪かったぞ、俺。

いやいや、当然異世界転生なんて無理なのだが、何かのきっかけでで出来るかもしれないだろう?


「はい。いくらですか?」

「三◯八万円になります。」


げっ、いくらなんでも高すぎる……俺の月給より高いじゃないか!

しかしこの剣を目の前にして買わないわけにはいかない!


「買います!」


ーーーーーーーー


 俺は有頂天になりながら帰路についていた。剣はプラスチック製だが、俺の身長よりもはるかに大きい為とても重い。

道ゆく人が俺の剣をまじまじと見て、驚いた表情を浮かべている。

今日はこの剣を飾って、それから__


「危ない!!」


 その時、俺の体は大きく吹き飛ばされた。

……

……

……


「は……?」


 何が起きたか分からなかった。ただとにかく言える事は、体がとても痛く、血がダラダラと流れている事だ。


「きゃーーーっ!!!」

「誰か救急車!救急車を呼べ!」


色んな所から悲鳴が聞こえてくる。

俺、トラックにはねられたのか……



ああ、短い人生だったな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

現実世界で買った剣、実は異世界最強の勇者の剣だったんだが!?おいおい、俺が伝説の勇者とか勘弁してくれよ!〜チートで歩む異世界RPG生活〜 四葉ちゃば @3cHa6A

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ