本エッセイは、「雪とは?」からスタートする。知らない人の方が少ないだろう。雪は雪だ、としか言いようがない。そこをあえて再確認する作業に、筆者も、読者も時間を割いている。ある種の不毛さが垣間見え、笑ってしまう。そして「もし雪が◯◯だったら」というifをはさむことで、雪のありえない姿が登場、論考は飛躍、世界の終わりまで行ってしまう。私は今、何を読んでいるんだろうと、宙ぶらりんにさせられる。破天荒な形で、雪の手触りを、再確認しているんですね。何が言いたいのかというと、大変におもしろかったです。
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