サンタさんへの贈り物

真塩セレーネ【魔法の書店L】🌕️

第1話完結 サンタさん

「ホホーウ。私はサンタクロースだよ。良い子にしてたかい?」


 そう言ってクリスマス当日には大忙しのサンタクロース。


 窓には粉雪とモミの木のデコレーション、赤い服の人々で賑やかな街の様子が映っている。


 「わっ、冷た」


 もっとよく見ようと、窓に近づき手を支えに添えると指先から外の空気がすぐ伝わってきた。手の平をさすり、部屋の暖炉へ向かって手を温める。


 僕は今ドキドキ胸が高鳴っている。


 サンタを待っているわけじゃない、僕の家にはサンタは来ないから。


 けど、25日はサンタのために料理を用意して待っているんだ。13歳になった僕は背伸びして色々分かったつもりでいる。


 サンタクロースは大変な仕事で、みんなが寝静まった頃に動き出す。


 もうすぐ日が暮れる、夜が訪れサンタはトナカイに引き連れられ空を飛ぶだろう。


 夜のうちに来て冷めてない料理を食べてくれることを願う。初めてだから味は分からない……ドキドキ緊張する。美味しいと言ってもらえるだろうか?


 そして僕は手紙を書くことにした。


『サンタさんへ。

いつもありがとう、お疲れさま。

僕はお利口にいれたでしょうか。勉強には励んでいます。たまに言うことを聞かないけど、ちょっとでも良いと思ってくれたら今度牧場へ連れて行ってください。

今日は疲れただろうから、お爺ちゃんの好きなハンバーグを作ってみました。机に置いてるものです。味は……分からないけど口に合えばうれしいです。朝は僕が作るからゆっくり寝ててください。

偉大なるサンタの孫より』


 ──そう、僕のところにサンタは来ない。何故ならお爺ちゃんがサンタクロースだから。


 忙しいんだ。みんなのところにはサンタさんが来て、プレゼントを一緒に開ける親がいる。僕にはサンタのお爺ちゃんがいるんだ。


 25日は少し寂しいけど、みんなを笑顔にする尊敬する仕事で応援してる。 26日は色んな国の話を聞くんだ。いいでしょ? 冒険だよ。


 大人になったら牧場でトナカイの扱いを教えてもらって僕もサンタクロースになるのが夢なんだ。


 沢山周るから大変だから、僕も早く手伝いたいんだ。人々を笑顔にするすごーいお仕事サンタクロース。世界へ冒険だって出来るんだ。


 26日の朝は紅茶も淹れよう。サンタさんにもプレゼントを。僕の気持ちなんだ。よろこんでくれたらいいな。


「ホホーウ。お爺ちゃんだよ。良い子にしてたかい?」

「おかえりサンタさん!」




end.


それでは皆様 Happy Xmas.





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