【SF短編小説】記憶の花園　～144歳の約束～（約11,800字）

「私の脳は、まだまだ成長している」

　96歳の脳科学者・春野詩織は、驚くべき研究成果を残し続けていた。加齢による衰えを感じない彼女の脳には、ある秘密が隠されていた。
　若き研究者・藤宮澪との出会いをきっかけに、詩織は30年間秘密にしてきた研究の全貌を明かす。それは人類の限界に挑む、壮大な実験だった。
　記憶を量子の次元で紡ぎ出す巨大量子コンピュータ。脳内で開花する神秘の物質「記憶の花」。そして、二つの意識が共鳴する時、人類の新たな進化の扉が開かれる──。
　老いという概念を超えて、人間の可能性を追求する感動の物語。