何故、人口知能は夢を見るようになったのか?その驚愕の結末は?

この小説のもの凄いところは、SF小説と言いながら、現代の脳科学等を、キチンと押さえて、この物語りを、書かれておられる所です。

少し、ネタバレにもなりますが、要は、電力消費を削減するよう、人工知能(今で言えば生成AI)に休息を与える、その為に、人工知能に「夢」を見させようと言う話を、正に、あたかも見てきたかのように、詳細に記述されています。

ところで、人間は何故に「夢」を見るのか?について、かって、ある実験がありました。この小説でも出て来ますが、REM(ラピッド・アイ)睡眠時に「夢」を見る事は、早い時期から知られておりました。そこでREM睡眠時にワザと起こして、被験者に「夢」を見させない実験を行うと、被験者は遂に発狂寸前になったとか?

この事から、最近の脳医学では、人間が眠っている間に、日中、酷使した大脳神経のシナプス(神経細胞)を自由自在に動かせ、シナプスの再構築(修理)をしていると言う説が有力で、この時の自在な動きのシナプスが見るのが「夢」だと言うのです。

では、この小説のように、人口知能に「夢」を見させたら、果たして、どうなっていくのか……。

ここが、この小説の最大の興味ある描写場面です。面白いので、一度は読んで見て下さい。


ちなみに自己PRにもなりますが、私の愚作『人喰村伝説殺人事件』では、人類初の「知性」と「感情」を有した生成AIが出てきますよ。