第5話
新年初投稿です
こちらは、正月三が日に書いていたものになります。
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実は危ないからと部屋に置いて行っていた剣を取りに戻ったあと、俺は討伐ギルドに向かい、途中、人形がやっている美味しそうな店の匂いに釣られながらも到着した。
討伐ギルドは、一見すると綺麗で大きな建物であり裏は倉庫の様になっている。両開きのドアから入って行くと、2階の食事席にはチラホラ酒を飲んでいる幽霊を見かける。
それらを脇目に、ギルドの受付に行く。
「いらっしゃいませ。討伐ギルドへようこそ。何かご用でしょうか。」
これまでの魔動人形たちとは違い、明らかに滑らかに話しかけて来る。
そのことに驚いていると、
「ああ、これまで喋り慣れていない魔動人形としか話していないのですね。皆さん初めての際はあなた様の様に驚かれるのですよ。」
「これは失礼した。」
「いえ、それでは改めまして、ルートが担当させて頂きます。本日のご用件は如何なさいましたか?」
「コインを集めるのにはここが効率が良いと聞いた、ゴブリン一匹の討伐報酬などはいくらになるのだろうか。」
「はい、そうですね。ゴブリン一匹あたりの報酬ですと、50コインとなります。討伐の証として右耳を切り取ってこちらにお持ちください。詳しくはこちらのマニュアルを差し上げますのでこちらをお読みください。」
「なるほど、因みに耳を入れる袋や、剥ぎ取り用のナイフなどはこちらで借りられるだろうか?」
「もちろんでございます。貸し出しは後払いで、販売は前払いで共に50コインでやっておりますので、もしよければゴブリンの耳を一つ多く納品していただければそのままアナタ様の物にしていただいて問題ありません。」
「ふむ、それはありがたい。それでは1セット借りても良いだろうか?」
「かしこまりました。では、此方になりますね。また、ゴブリン群生地までの馬車送迎も行っておりますが、いかがなさいますか?」
これほど手厚いサポートだと何か裏を疑ってしまいそうになるが、ここまでくると神としては塔の試練に挑戦して欲しいというのが感じられる。
「それはありがたいがその費用は何コインなのだろうか。」
「こちらは基本費用は掛かりませんが、馬車にお戻りになった際に魔物の討伐が確認できたときのみ、街まで馬車が戻るようになっております。ご注意ください。」
(なるほど何が何でも魔物を討伐してこいと言うことか分かりやすい。)
「わかった。それでは早速お願いしてもいいか?」
「かしこまりました。ご出発の前に、防具の貸出は如何ですか。」
「大丈夫だ」
即答する。
防具を着けると剣が鈍くなる気がしたためよほどの事がなければ着ける気は無い。
「わ、わかりました。お名前を教えて頂いてもよろしいでしょうか?」
「悠斗だ。」
「はい、ユート様ですね。それではこちらのベルとメモをお持ちください。こちらがゴブリン群生地行きのものとなります。街を出てベルを鳴らして頂いたら馬車が参りますので、乗車されたらそのまま出発でございます。また、お帰りの際は、馬車が止まった場所に戻って頂いて、乗車後にベルを鳴らして頂いたら発車します。そして街に到着し、降りた後にベルを鳴らすと馬車のご利用が終了となります。今回の説明がメモの方にも書いてありますので、以降不明な点などあればそちらもご確認ください。
以上ご不明点はございますでしょうか?」
「大丈夫だ。」
「ありがとうございます。それでは行ってらっしゃいませ。」
討伐ギルドで色々説明を受け、その後多少オーバーサイズではあるが剣の鞘も貰えた為、気分良く街の外へ向かう。
そして門を通り過ぎる時に昨日の門番たちに軽く頭を下げてから少し離れ、ベルを鳴らし、魔動人形の一種であろうメカメカしい馬が牽く馬車に乗り込む。
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馬車に乗りしばらくの間自身の剣について考えていると、馬車が止まる。
馬車から降りる際、御者が、
「ワタシがカンイテキナ回復魔法ヲアツカエルヒツヨウナトキハイエ。」
「わかったありがとう。」
そう礼をいって目の前を見るとそこには森があった。
俺は剣をいつでも構えられる様に準備しつつ森の中へ入っていく。
入ってしばらくしないうちに並んで歩いているゴブリン3匹を見つけ、とっさに息をひそめ気配を消して観察をする。
(さすがに群生地なだけあってすぐ見つかるな。)
周囲を確認し、最初のゴブリンへと奇襲をかける!
そして、素早く抜きはなった剣で油断していた最後尾の1匹を斜めに切り裂く。
「Gya?」
1匹目は短い断末魔を上げ、違和感に気づいた2匹目に続けざまに切りかかる!
その攻撃は2匹目が振り返りざまにバランスを崩しながら回避運動を行い、片腕を落とすだけにとどまる。
俺の攻撃終わりに3匹目がこん棒で殴り掛かってくるのを、後ろに距離をとることによって避け、その後踏み込みながら3匹目を横なぎに両断する。
3匹目の断末魔を尻目に、片腕を落とされ悶絶している2匹目にとどめを刺す。
(今回も危なげなく勝てたな。それで、やはりこれの感覚がマナなのか?)
ゴブリンを殺すごとに小さく何かが流れてくる感覚がある。
前の地球では、感じたことのなかった感覚なのでこれがマナだろう。
だが、これが減ってゆく感覚はないあの総合受付嬢の話だとヘルではマナが削られていくという話だった。
(マナが削られないのは俺が違う世界から来たからなのか?)
そんなことを考えつつゴブリンの耳をはぎ取り終えると、
突如、背後から奇襲を喰らう。
何とか攻撃の瞬間反応ができたおかげで深刻なダメージはなかったが、背中がズキズキと痛む。
距離を取り、攻撃を喰らった方向を見ると、今までのゴブリンと比べ、1周りか2周り程大きくなり少し筋肉質になったゴブリンがいる。
姿格好からしてこいつがマニュアルに書いてあったホブゴブリンだろうか?
奴は手に持った棍棒を振り上げ、こちらに突っ込んで振り下ろしてくる。
それを半身になることで何とか避け苦し紛れに剣を薙ぎ払うが、距離を取られ避けられてしまう。
(こいつ、明らかにゴブリンの何倍も手ごわい、さらに俺よりも身体能力が高いそうだ、じっくり戦いところではあるが、背中のダメージもある、長引かせたらこちらが不利だ。)
今度はこちらから切りかかる!
だが、斜めに放った攻撃は剣の腹をたたき落とされたことにより当たらない。
これによりバランスを崩してしまった俺は、ホブゴブリンの牽制で放った攻撃が胴体にかすってしまう。
しかし、俺はその痛みを無視し、相手の棍棒を狙う!
ホブゴブリンは、もう一度たたき落とそうとしてくるが、それに何とか軌道を合わせて切り落とした。
ホブゴブリンは棍棒を一撃で切り落とされたことに驚いた様子を見せつつも俺から距離を取る。
その後、少しの間にらみ合いつつ、こちらが剣に意識を向けた瞬間、ホブゴブリンが素早く攻撃を仕掛けてくる!
こちらに短くなったこん棒を投擲し、爪で攻撃を放つ。
しかし、俺は師匠から送られてきたイメージをもとに何とかこん棒を横に避けつつ、すれ違いざまに片腕を切り落とすことができた。
「Gi、gyaguuu...」
さすがにホブゴブリンでも腕を落とされた痛みには耐えられないのか、断面を抑え、うめき声をあげこちらから距離を取ろうとする。
その姿を好機と見て、首を狙い横なぎに剣を振るう。
しかし!ホブゴブリンは一矢報いろうと最後の一撃を放った!!!
その攻撃は、見事に俺の左肩と脇腹に裂傷を与えたが、そのまま首を断たれ絶命した。
(あ、危なかった。もう少しで深手を負ってしまうところだった...)
俺は、何とかホブゴブリンに勝利することができたが、自身の未熟のせいで傷は浅くない、早急に回復をしてもらう必要があった。
ただ、得たマナはゴブリンの時よりも少し多くかった。
アドレナリンでも切れたのか明瞭になってくる痛みに悶えつつ、ホブゴブリンの討伐証明部位の牙を剥ぎ取り持ち帰る。
奇襲がないように警戒しながらなんとか馬車戻り、御者に応急処置のため回復魔法をかけてもらった。
そしてその後、袋に入れておいたゴブリンの耳を見せ、馬車に乗り、街へと帰った。
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個人的にはとっとと塔に挑ませたいのですが、なかなか筆が進みません。
何とかあと数話で挑ませたいものです。
ここ、こーしたらいいんじゃないとか、ここ良かったよとかなんでもありがたいので
批評、感想、誤字脱字報告お待ちしてます。
戦のアリスティア - 女神に脳を焼かれてしまった男の話 - とうふめんたる @toufumentaru
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