誰しもが身に覚えのあるだろう、記憶の鍋の中で保温しすぎてぐずぐずになり、輪郭が曖昧になった出来事を回想し、わずか3行足らずの短い文章でそれを表現している。輪郭が曖昧で、真相がわからない分、こちらにも想像の余地があり、読み手の想像力に全てを委ねているところに強い好感がもてます。……ところで、エピソードを辿っていくうちに、あれ? 俺も昔同じ人見た気がするぞ?……とも。このような共感を得られる方も多数いることでしょう。わずか3行なので、何度も往復して状況に浸れます。おすすめです!!
Xのつぶやきのような短い文章で、日常の違和感を淡々と綴る。確かに分類不能の短話集です。自分が体験したら、もしかしたら見逃していたかもしれない。そんな話の連続ですが、言語化した時、それは薄寒い印象に変わります。短く、サラサラと読める話。是非目を通してみて、そして省みて「自分にもあったような……」なんて既視感を楽しんで頂きたいです。
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