普通って何? 常識を見つめ直したくなる衝撃
- ★★★ Excellent!!!
自分の父親が博物館に収蔵されるという、衝撃の展開から始まる本作。物語の世界にすっと引き込まれ、読後、現実世界の問題にも繋げて考えされられる作品でした。
作中、洋一君が博物館の展示を見て発する「全部、普通のもののはずなのにさ」と言うセリフが印象的です。核家族というものが、恐竜の化石などと同等の『特別な物』として展示される社会。物語の展開と相まって、家族とは何だろう、普通とは何だろうと考えながら読ませていただきました。
自分の中の常識を見つめ直してみたくなる、そんな一作でした。