桃から始まる俺の異世界鬼退治ライフ 〜転生したら鬼娘が美少女だった件〜
@moritakujira
1話目
空が斜めに傾くような妙な感覚とともに、俺は死んだ。いや、正確には「死んでしまったらしい」。ほんのついさっきまで、俺はどこにでもいる普通の高校生だった。部活もそこそこ、成績も中の中、将来の夢なんて「普通に就職して、そこそこ幸せに暮らせればいい」ぐらいの、なんとも無個性な男。それがある日、帰り道でトラックに轢かれた……なんてギャグみたいな事故に遭遇して、あれよあれよという間に気づけば死んでいた。
で、気がついたら、なんと俺は巨大な桃の中にいたんだ。そりゃあもう、マジで目玉が飛び出るほど驚いた。だって、それは完全に「桃太郎」の出だしじゃないか。大きな桃が川を流れ、それをおばあさんが拾って、おじいさんと割ってみたら中に赤ん坊が……って、昔話で何度も聞いたあのシーン。しかもこうして桃の内側から外を覗く立場になるとは、想像もしていなかった。
「おお、なんてでっかい桃だろうなあ」
「本当に不思議じゃ。川上から流れてきたんじゃと」
外から聞こえる声は、おそらくおばあさんとおじいさん。原典では名もない老夫婦。再現度がハンパじゃない。俺はもう半分パニック、半分悟りモードだ。これ、絶対に桃太郎の世界に転生しちまっただろ。テンション上がるやら困惑するやらで、鼓動がやけに速い。
――いや、待てよ。桃太郎と言えば、鬼退治。鬼と戦うんだよな? 犬、サル、キジを味方につけて、鬼ヶ島に行って宝物を奪い返す、あの勇ましい話。子供のころ、何度も映像や紙芝居で見たっけ。でも、あれって昔話だろ。なんで俺がそんな世界に? もしかして、ありがちな異世界転生? 転生系なろう小説っぽくないか、これ?
現代っ子としては、むしろワクワクが勝ってしまう。魔法とか剣とかがあってもおかしくない時代設定なら、ワンチャン「桃太郎、鬼退治で無双」パターンだ。しかも俺は桃太郎として生まれ直したわけだろ? そりゃあ鬼退治は断れない。けど、原作通りの展開なんてつまらない。俺は現代人としての知恵や知識をフル活用して、この世界を楽しんでやる。
「おばあさん、こりゃあ中に何か入っとるかもしれんぞ」
「そうじゃな。ちょっと割ってみようかいのう」
よし、そろそろ桃を割られる瞬間だ。桃が割れる衝撃で、新生俺、桃太郎としてデビューだ。ああ、こういうシチュエーションって、なんだかテンション上がるな。俺は覚悟を決め、目を閉じる。
「よいしょ……っと」
パカン、と軽い音がして、世界がパッと明るくなる。
目を開くと、そこには白髪の優しそうな老夫婦が俺を見下ろしていた。近くには古びた小さな家、川のせせらぎ、森のざわめき。完璧に昔話的な世界観だ。
「ほほう、これはかわいい男の子じゃ!」
「神様の授かりものかいのう」
俺はとりあえず、生まれたての赤子として「あうあう」的な発声しかできない。奇妙な気分だが、まあしゃべる赤子は引かれるだろう。ここは大人しく赤子ロールを演じておこう。
こうして俺は、桃太郎として第二の人生をスタートした。
* * *
時は流れ、俺はあれよあれよという間にグングン成長した。原作通り、まるで超特急で大きくなる感じで、老夫婦も「これが神の子か」なんて大喜びだ。俺の内面は高校生男子そのままなのに、周囲はすっかり「勇気ある若者」として見てくる。服は和風な着物、周囲は江戸風なのか、室町なのか。正直時代考証はよくわからないが、とにかく昔っぽい村である。
ある日、村長らしき爺さんに呼び出された。
「桃太郎よ、近ごろ鬼ヶ島の鬼どもが暴れとるんじゃ。村の若者たちをさらい、宝物や米を奪い、なんともけしからん連中じゃ。お前は神から授かった子。どうかあの鬼どもを退治してくれまいか」
ここで来たか、テンプレイベント。俺は心の中でニヤリとする。
「もちろん、村長さん。俺に任せてください。鬼退治、やってみせます」
あまり疑わずに引き受けるあたり、すでに俺はこの世界に馴染んでいる。だって原作知ってるし、これが俺の役割だし。ついでに言えば、おばあさんがきびだんごを作ってくれるイベントももうすぐだ。俺はわざわざ自分でリクエストした。
「特製のきびだんごがあれば、きっと俺の仲間を増やせる気がするんです」
おばあさんは首をかしげながらも、「変わった子じゃのう」と言いつつ団子をせっせと作ってくれた。これが伏線なんだよな。
出発の日、俺は腰に剣をさし、肩からきびだんごの袋を下げる。
「おじいさん、おばあさん、行ってくるよ」
「おお、気をつけてな」
「無理はするでないよ」
こうして、俺は鬼ヶ島へと旅立った。
最初に現れたのは犬だ。いや、正確には、森の中で突然話しかけてきた犬。
「ガルル……お前、何者だ? そのきびだんご、美味そうだな」
よっしゃ、来た。ここは原作踏襲で行こう。俺はニヤリと笑いながら、ちょっと気取って言ってみる。
「俺は桃から生まれた桃太郎。今から鬼ヶ島に鬼退治に行くところなんだけど、一緒に来ないか? このきびだんごをやるからさ」
犬は目を輝かせ、「お、お前、いいヤツじゃねえか!」といきなり懐いてきた。
「ワンワン! 俺を仲間にしろ! そのきびだんごくれ!」
「おう、一緒に来いよ、犬!」
まるでRPGの仲間加入シーンだ。気分が乗ってきた。
続いて出会ったのは猿だ。
「キャッキャッ、お前の腰につけたその団子はなんだ! うまそうな匂いがするじゃねえか!」
「俺は桃太郎、鬼退治に行くところ。気に入ったら仲間になれ、団子をやる」
「おもしろい! 俺もついてくぜ!」
猿もあっさり仲間入り。いや、ちょろすぎない? まあ原作通りだからいいか。
最後はキジ。
「ケーン、ケーン。その団子をよこせば、お前さんに力を貸そう」
キジもあっさり陥落。こうして犬、猿、キジのトリオがそろうと、俺は原作再現率100%のメンバーで鬼ヶ島へ向かった。
しかし、ここからが違う。俺は現代知識を活かして、装備を工夫した。竹やりを量産したり、簡易的な盾を用意したり。村人から情報収集も怠らない。鬼どもの弱点や好物、島の構造などを聞き出して、作戦を練る。犬、猿、キジも俺に感心していた。
「お前、なんだかただ者じゃねえな」
「作戦とか難しいこと言いやがって、でも面白いぜ」
「ケーン、ケーン。これなら勝てそうだ」
こうして俺たちはいよいよ鬼ヶ島へと渡る。
鬼ヶ島は荒涼とした岩山に囲まれた島で、入り口には荒くれ者の鬼たちがパトロールしている。そいつらを見るなり、犬が唸った。
「ガルル、やっちまおうぜ!」
「待て、ここは奇襲がいい」
俺はきびだんごを一つ取り出し、犬と猿とキジに分けて与える。士気上昇アイテムみたいなものだ。
「行くぞ!」
ここからはバトル展開だ。
まずキジが空から偵察し、鬼の配置を俺に伝える。猿は素早く茂みに潜み、犬は地を駆け、俺は剣を引き抜いた。
俺は現代で剣術なんてやったことないが、妙に身体が軽く、力がみなぎる。転生のボーナスだろうか。
「おお、なんだ人間か?」
「人間が単身で鬼ヶ島に来るとは愚か者め!」
鬼たちは笑いながらこちらを囲む。青い肌、赤い肌、角が生えて、いかにも猛者っぽい。だけど俺は臆さない。ここは原作で負けないシーンだし、俺には仲間がいる。
「犬、右から! 猿、後方を回って!」
指示を出すと、犬は牙をむいて吠え、猿はぴょんぴょん跳ねて鬼を翻弄する。キジは上空から急降下し、鬼の視界を奪う。
俺はその隙に剣で一体を斬りつける。バシンッと乾いた手応え。血の匂いがする。うっ……ちょっとキツい。昔話では血とかあまり出なかった気がするけど、ここはリアル。
「くっ、やるな小僧!」
「こいつ、ただ者じゃねえぞ!」
鬼たちは焦るが、俺たちは引かない。畳み掛けるように、猿が尻尾で鬼の武器を奪い、犬が脚を噛み、キジが目を突く。俺はその間に次々と鬼を斬り倒す。
「うりゃあああ!」
まるでゲームのチュートリアルみたいに順調に倒していく。いいぞ、この調子だ。
最初の群れを制圧した俺たちは、鬼の砦の奥へと進む。豪華な門を越えると、そこには鬼のボスがいるはずだ。
俺は原作をなぞるように鬼の親玉、赤鬼と青鬼の大将格を想像する。が、そこに現れたのは、意外な姿だった。
「よく来たな、人間の子よ」
渋い声を出して現れたのは、筋骨隆々の大鬼……ではなく、しなやかな身体をした美女の鬼だった。長い黒髪、角がちょこんと生えていて、目元は妖艶な笑みを浮かべている。その肌は淡い青色。まるで幻想的な存在だ。
「えっ、君が鬼のボス?」
思わず俺は尋ねる。美女すぎて殺意が薄れる。
「私がボスかどうかは関係ないわ。あなたが桃太郎ね?」
その鬼娘は腰に太刀を差し、ゆらりと俺の周りを歩く。犬、猿、キジが警戒する中、俺の心はなぜか落ち着かない。
「な、なんだお前は! 俺たちは鬼退治に来たんだ!」と犬が吠える。
「ケーン、ケーン、なんだあいつ、妙に色っぽいぞ」とキジが戸惑う。猿は口をぽかんと開けている。
「あなたたち人間は、私たち鬼を一方的な悪者と決めつけているようね」
彼女は静かに剣を抜く。その動きには無駄がなく、ピリリとした殺気が漂う。俺は思わず剣を構え直す。
「悪者じゃない? でも、村人をさらったり宝物を奪ったりしたのは事実だろう?」
「それは……私たちの島が飢えたから。人間たちは昔、この島への食料支援を止めて、鬼たちを飢餓に追い込んだ。その報復なのよ」
聞いてない話だ。原典ではそこまで背景なかったが、この世界の鬼たちには鬼たちなりの理由があるっぽい。
「だからって、暴力に訴えるのは……」
「そうね、正論だわ。けど、あなたも剣を握ってここに来たでしょう? 私たちを倒すために」
鬼娘の言葉に俺は詰まる。たしかに、俺も彼女らを一方的な「敵」とみなし、斬ってきた。昔話じゃ鬼は悪者。問答無用で倒して宝を奪い返す。それが正義と思っていた。でも、この世界で血を見て、戦いを目にした今、俺は戸惑っていた。
「……でも、俺はこの村と老夫婦を守りたいんだ。だからここに来た」
「私も私の仲間を守りたいの。だから剣を抜く」
そう言うと、彼女は一気に斬りかかってきた。
「くっ!」
金属音が響き、俺の剣と彼女の太刀が火花を散らす。
速い、鋭い、そして美しい。これほどの強敵がいるとは思わなかった。犬、猿、キジが援護しようとするが、彼女は優雅なステップでそれをかわし、反撃の余裕すらある。
「ガルルル! この女、強え!」
「キャッ、すっげえキレ味だ!」
「ケーン、どうする、桃太郎!」
仲間たちが混乱する中、俺は必死に剣を振るう。が、彼女の動きは舞踊のように滑らかで、俺の刃を紙一重で避ける。
「はぁっ!」
一瞬、彼女が切り込んでくる。その横顔はまるで悲しげな表情を浮かべていた。
俺は咄嗟に剣を突き出し、彼女の太刀を弾き返す。カキン!と澄んだ音が響き、彼女はわずかによろめく。
その隙に犬が地面を疾走し、猿が背後を取る。キジが上空から突撃する。俺たちは一斉攻撃を仕掛けた。
「やらせるかぁあ!」
彼女は驚くべき集中力で犬の攻撃を受け流し、猿を蹴り飛ばす。キジの突撃も顔を横に逸らしてかわす。だが、その瞬間、俺の剣が彼女の肩を掠めた。
「うっ……」
彼女は一歩退く。
血が滴る。その様子に、なぜか俺の胸が痛む。
「このまま倒してしまうのか……?」
俺は剣を振り上げるが、その腕が震える。彼女が苦しそうにこちらを見る。その目には、憎しみよりも悲しみが浮かんでいた。
「あなた、本当に鬼を滅ぼしたいの?」
その問いかけに、俺は声が出ない。原作ならここで大勝利、めでたし、めでたしだろう。しかし、目の前の鬼娘はただの悪役じゃない。俺たち人間の行いにも原因があった。
村が飢えていないのは、そもそも自然条件が良いからで、鬼ヶ島が荒れた土地なら苦しいはずだ。彼女たちは生きるために必死だったのかもしれない。
「俺は……」
そのとき、不意に砦の奥から鋼鉄の鎧をまとった巨漢鬼が登場した。明らかに中ボス的な存在だ。
「なにをグズグズしている、アカツキ! さっさとそいつらをぶち殺せ!」
彼女はアカツキという名前らしい。その巨漢鬼は彼女に命じるような口調だ。
「でも……」
彼女はためらう。
「アカツキ、お前は弱いな。情けなどいらぬ! 我ら鬼が強く生き延びるには人間を踏み台にするしかない!」
巨漢鬼はどすん、と地響きを立てる。
「くそ……!」
俺は迷ったが、結局、巨漢鬼が襲いかかってきたので対応せざるを得ない。
「うわああ!」
巨漢鬼の棍棒が振り下ろされる。犬と猿が必死に止めようとするが、そのパワーは段違いだ。地面がえぐれ、土が舞い上がる。俺は必死に回避する。
キジが空からくちばしで狙うが、まったく歯が立たない。
「ケーン、ダメだ、硬すぎる!」
「くそ、負けてたまるか!」
犬は体当たりし、猿は木の棒をぶん回すが、巨漢鬼は笑いながら蹴散らす。
「人間風情が俺たちに勝てると思うな!」
その声に、俺は頭が冷える。そうだ、ここはもう昔話じゃない。俺が転生した世界なんだ。力なきゃ生き残れないし、負けたら死ぬ。
「負けない……俺には仲間がいる!」
俺は再びきびだんごを取り出し、犬、猿、キジに投げる。
「みんな、これを食べて力を出してくれ!」
「ワンワン! おお、なんだこれ、パワーがみなぎる!」
「キャッキャッ、こりゃすげえ!」
「ケーン、これはいけるぞ!」
三匹は士気を取り戻し、同時に巨漢鬼へ総攻撃を仕掛ける。
その隙に、俺はアカツキに向かって叫ぶ。
「アカツキ! お前、本当にこのままでいいのか!?」
「なぜ私に呼びかけるの……?」
彼女は戸惑った顔をする。
「お前はさっき迷ってた! 俺たちは本当に殺し合わなきゃいけないのか?」
アカツキは悩む顔をする。一方、巨漢鬼は怒鳴る。
「アカツキ! 何をためらっている! 早く助けろ!」
「……もう、やめたい」
彼女はポツリとつぶやく。その刹那、巨漢鬼は「裏切り者め!」とアカツキに振り向いた。その瞬間、俺は巨漢鬼の脇腹に剣を突き立てる。
「ぐあっ!」
巨漢鬼が苦痛に喘ぎ、犬と猿とキジが一斉に攻め立てる。最後に俺が渾身の一太刀を浴びせると、巨漢鬼はドサリと倒れ込んだ。
息が荒い。血と汗が混じり、犬、猿、キジもボロボロだ。
アカツキはその場に膝をつく。
「あなたたち、人間は鬼を滅ぼしに来たんでしょ?」
「確かにそうだったかもしれない。でも、今は違う」
俺は剣を収め、彼女に近づく。血を流し、肩を押さえる彼女は、怯えたように俺を見る。
「俺は、もうわけがわからなくなった。昔話じゃ、鬼はただの悪者で、倒して終わり。だけど、この世界じゃ、俺たちと鬼は同じように生きてる。苦しんでる。だったら、話し合いだってできるんじゃないか」
「話し合い……人間と鬼が?」
「そうだ。村に戻って、村長に頼んでみる。何か食料を分け合う方法がないか。土地を分けたり、交換したり、そうすれば無益な戦いは減るはずだ」
アカツキは信じられないという目で俺を見る。
「あなた、優しいのね」
「……そうかもしれない。戦うのは好きじゃない。それに、お前が鬼ってだけで憎めない。正直、お前はすごく美しい」
くす、とアカツキが笑う。その笑顔は、ふわりと花が咲いたようだ。
「私、アカツキっていうの」
「俺は桃太郎」
「桃太郎……あなたがこの島に来てくれたから、私、踏みとどまれた気がする」
「俺も、お前に会えてよかったよ」
気づけば、二人は向かい合い、傷だらけの世界の中で微笑み合っていた。犬と猿とキジは顔を見合わせて「おいおい、ラブロマンスかよ」と呆れた声を出す。
「ワンワン! まあ、ハッピーエンドならいいんじゃねえか」
「キャッキャ、桃太郎、お前も大人になったな」
「ケーン、ケーン、これはドラマチックだ!」
そう、これは「昔話」じゃ終わらない。俺たちは転生して、ただ鬼を倒すだけじゃない世界に来た。鬼娘のアカツキと、村との仲立ちをする。それは大変な道かもしれない。
でも、俺は知っている。この世界は昔話じゃないからこそ、俺たちは新しい物語を紡げるんだ。
「アカツキ、一緒に来ないか?」
「えっ?」
「俺は村に戻って、話し合いの場を作る。お前は鬼ヶ島の代表として、村長たちと話してくれないか」
「……そんなこと、できるかしら」
「できるさ。お前が望むなら、俺たちは味方になる」
アカツキは目を潤ませ、「ありがとう」と小さく言う。
こうして俺たちは、傷つきながらも手を取り合った。犬、猿、キジという奇妙な仲間たちと、かつては敵だった鬼娘。
村へ戻ったら、そりゃあ驚くだろう。でも、きっと何かが変わる。鬼退治という昔話に終止符を打って、俺たちが望む、共存と理解の道が開けるかもしれない。
帰り道、アカツキは俺の肩を借りながら歩く。彼女は痛みを堪えながら、小さく微笑んだ。
「ねえ、桃太郎……あなたは昔話でも、私を救ってくれたのかしら」
「さあな。昔の桃太郎はどうだったか知らないが、俺は今の俺さ」
「ふふ、それで十分」
彼女の笑顔が、まるで新しい物語の幕開けを告げるようで、俺は胸が熱くなった。
これが俺の「桃太郎転生物語」。激しいバトルがあって、仲間がいて、そして美しい鬼娘との出会いがあった。
結末は昔話と違うかもしれない。でも、俺はこれでいい。
だって、生まれ変わったこの世界で、俺はただのモブじゃない。
勇気と優しさを抱いて、アカツキとともに新しい物語を紡いでいくのだから。
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