第2話
あれから俺は親様にpcを買ってもらった。そして俺は彼女、NoNに出会う為、対等な関係になるためにも配信を始める。まだゆっくり実況が流行っていた時代でゲーム配信者や、vtuberは台頭してきてはいないがそれでもAoexは配信されていたりと、ここから一気にゲーム業界、オタク界隈が賑やかになる。俺の親様は作家とイラストレーター……そう、理解があるのだ。ん?親様がなんか呼んでるな、なんですかいな?
「おい」
「はいっ」
「この点数は何だ?」
そう言って親様は俺の英語のテストを見せてくる。右上に大きく45と書かれたものだ。赤点ギリギリ、俺の個人的な意見として赤点さえ取らなければ……取ったとしても卒業さえできれば良いと考えているのだが親様の圧が強い。
「英語はちょっと……」
「pcぶち壊すぞ」
なんて凄まじい発言なのだろうか?この子30万するだぞ?俺今後お小遣いなし生活なのになんて横暴なんだ。
「……横暴だ!!数学とかは学年3位だぞ!!」
「は?」
「すいませんでした」
親様は俺に対して理解が……ある……の……だ。バッチリと言い返してしまったがpcを買う条件として勉強などをしっかりと頑張るという約束をしたのだ。まぁ、買ってしまえばどうということもないと思っていたのだがこの時代は〇〇してみた系が流行っていた時代なので【約束破った息子のpc破壊してみた】をやってやると本気で考えていそうで本当に怖い。なかなかに楽しいお人達だ。
まぁ、その話はおいておいて俺は配信をしている。名前は「KLooNM」瀧川 黒(たつかわ くろ)を色々もじってたら出来た名前だ。チャンネル登録者は500人。まぁまぁいる方だと自負しているが殆ど母様のアイコンと立ち絵のおかげだ。一応言っておくがvtuberではない。カメラをつけたくない時が多すぎて立ち絵で配信することが多いだけだ。そして、今日も俺は配信を始める。ん?親様から英語をしてされたばっかだって?大丈夫大丈夫。世の中の大抵のことはなんとかるさっ!!
「じゃあ、みんなおは〜エペやってくぞ〜」
コメント
『おは〜』
『おはくろ〜』
『朝活えらい』
『ようやく始まったか……』
「私がトイレでの戦争に勝ちきり、全力で配信を始めたというのに何という言い草だ。とりまレス無双するか」
コメント
『やっぱレスか』
『この人のレス最強すぎるんだよな……』
『なんでリリースされて一月なのにこんなに上手いんですかね?』
『ゲーム理解すごいよな』
「え?なんかやってれば勝手に知識はつくよ……2年くらい(ボソッ)」
そう、俺にはこのAoexリリースから5年の経験があるのだ。始めたばっかの初心者たちに負ける訳がなかろうて。単純にFPS、というかゲームは基本経験がモノを言う。どんなことにも言えることではあるが単純に強い立ち回りであったり、慣れ、エイムは経験によってレベルアップするものだと俺は考える。まぁ、それの経験をセンスとかで跳ね返してくる人もいるんだが……。
コメント
『一月で立ち回りが完璧になるわけ無いだろ!!』
『どんだけやったらそんな立ち回りになるんだよ!!』
『IQ高すぎなんだよ!!』
『アンチ読みすらまだできねぇよ!!』
「アンチ読みは感覚よ。てかさ、チーターがいないApexってこんなに面白いんだね」
そう、5年も経てばチーターが蔓延り、何故か知らねぇが俺がやってるときのAoexはチーターが1マッチに一人は居るんじゃないかと言うくらい荒れに荒れていたのだ。意味わからんところからチー牛飛んできたり、鉛玉が明らかに曲がってたり、二丁拳銃が実装されたりと散々だった。
コメント
『普通に1v3を捌くな』
『フィジカル強っよ』
『これがまだ初心者って、マジ!?』
『お前の安置予測、敵予測はチートだろ』
「雰囲気だよ、雰囲気。てか、ウイングマン楽し〜ナイナイくん強えぇ〜」
そして度重なるアプデによって爽快感は消え、理論で構成されたAoexをやっていた俺としてはこの当たれば強いシリーズがとっても楽しい。だって弾数は減るわ、ダメージ量は減るわ、何故か敵のアーマーは一生マックスだわで大変なんですよ、未来。
コメント
『結論構成エグいな』
『当たれば強いんだよ、当たれば』
『どんだけやればこのレベルに到達するんだ』
「え?10万時間くらい?」
コメント
『あの、これ、リリースされて一月で……』
『24✕30って720時間で……』
『ナンナンコイツ』
「まぁ、やってればこのレベルに来るよ。あっ、漁夫キタコレ、キルポうまうまです」
甘めぇんだよ、そんな連携されてない漁夫なんて漁夫と呼ばねぇんだよ。こちとら3射線+グレネード+ウルトなんていう確殺コンボをどうにかする世界にいたんじゃ、コラァ!!
コメント
『漁夫ってこんな簡単に捌けたっけ?』
『慣れすぎなんだよなぁ〜』
『漁るのが早すぎる』
『なんか入れてない?』
「チートとかは絶対入れない。そもそもどうやって入れるかすら分からんし、チートってクソ高くね?」
コメント
『こいつ最初マイクの調整カスだったからなぁ〜』
『地味に機械音痴なんよな』
『ゲーマーってpcに詳しい訳ではないのよな……』
『スペック全部使い切れてる?』
「……ん??1割もpc活用できてないよ?なにかありますか?スマホですら全然活用できてないカスですけどなにか?」
コメント
『逆ギレ草』
『すまんて』
『煽り耐性なさすぎだろ』
『これが今のAoex1位か』
「まぁ、1年くらいは一生1位キープするよ。もうちょい人数増えて流行ってくれないかなぁ〜」
コメント
『初動は馬鹿強い』
『タイタン3が出るって聞いてたんですけど……』
『バトロワでここまでキレイなの無かったからな』
「まぁまぁ、よっしゃっ、チャンピオン。キル集とか切り抜きとかまぁ、色々出していくのでお楽しみに。ディオ相手とか募集しようかな。一人だるいわ、なんかツラい」
コメント
『えぇ……』
『切り抜きってなんですか?』
『おもろいとこだけ的な』
『あ〜』
『キル集とか作れるの?』
「効果音とか一切なしのただの繋ぎ合わせ作る気ですけど何か?」
そうか、この時代はまだ切り抜き動画が存在してない時代なのか。未来では、テロップなしの手抜き切り抜きやそのまま垂れ流し切り抜きとか、散々なのもあったけど、昔はゆっくりとかで、面白いところだけを切り取ってあげてたもんな……。
コメント
『外部に頼めば?』
『しようか?』
『リスナー使えよ』
「え?作ってくれるの?俺のチャンネルで出すから色々と契約とかめんどくさいんだけど……まぁ、おいおいやりますね。(クロム〜)はっ、じゃ、じゃあ、皆さんもAoex面白いので是非に!!ではまたっ!!」
コメント
『ではまたっ』
『ではでは』
『またまた〜』
『クロム呼び来てたな』
配信は終了しました
最悪ゲーマーのやり直し さくらかるかん @sakurakarukan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。最悪ゲーマーのやり直しの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます