ハズレスキル《器用貧乏》だと皆にバカにされたが、本当はSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSS級当たりスキルだと気づいた天才の俺は、この試験をクリアして成り上がる!

バンブー

実技試験で説教された

「魔法をこのマトに当ててください。わかりやすいでしょ?」


 俺の名前は太郎。

 どうやらよくある異世界転移をしたみたいだ。


「これが実技魔法試験です」


 俺はコンビニ出入り口を潜ったら強盗に襲われ逃げた所をボール追いかける子供を見かけて助けた所をトラックに跳ねられて学校まで吹っ飛びガスボンベに当たって爆発。学校のクラス全員巻き込んで死んだ。


「この試験では本人の集中力と真剣さを試す実技であり、能力の優劣の差を見るものではございません」


 そして、神様に慈悲をもらい学校のクラス全員に《スキル》を1つ与えてヨーロッパ風の異世界へ送られた。

 だがクラス中からイジメを受けてきた俺は、ここに来てもイジメられ俺がもらった《器用貧乏》というスキルも何もかも中途半端に出来ると言う事で蔑まれ、神様も鼻で笑っていた気がする。


「的に当たったかどうかでは合否を決めません。その為スキルの使用を禁止し自分の実力でのみ魔法をコントロールしてください」


 しかし俺は気づいた。

 この《器用貧乏》という能力は中途半端でも全てのスキルを中途半端に使う事が出来るチートスキルだという事を!

 いろいろなスキル複合して補い合う事で真価を発揮するのだと!


「それが今回の魔法学校入試試験の実技です。わかりましたでしょうか? ね、簡単でしょ?」

「「「「「はい!」」」」」


 周りの奴らが動き出し、順番に魔法を撃ち始める。

 俺は追放され、職業ジョブが魔法使いだからこの魔法学校に入学すること神様から進められた。

 ハズレスキルの人間だけを集めた落ちこぼれ魔法学校らしい。

 フン……どこまでもコケにしやがって、俺は今からこの試験に合格して馬鹿にしてきた奴らを見返すんだ!


「それでは最後タロウ君、お願いします」


 俺は皆の前へ出て右手を構える。


「スキル発動! 《鷹の目》《オート追尾》《一点集中》《感覚遅延》《速射》《破壊者の心》《オーバードライブ》!」


 ありとあらゆるスキルを発動し呪文を唱える。


「ファイヤーボール!!」



 チュドオオオオオオオオオオオオオオン!



 木製の的を貫き、裏の山を破壊する。

 皆が唖然とし言葉を失う。

 ……失敗した。

 ふーやれやれ、本当はスキルを隠すつもりで抑えたのだがやり過ぎたか。


「また、やっちゃったか……俺」

「うんタロウ君、きみ失格ね」

「え?」


 なん……だと……?

 俺が……不合……格?


「スキル使っちゃダメって最初に言ったでしょ? 忘れたの?」

「……あ」

「タロウ君、君さ、話聞いてなかったね」

「……ァ……ァ」

「はぁ……まさかこんな簡単な試験を落ちる人がいるなんて、前代未聞ですね」

「ワァ……ァ……」

「スキルが無くてもこの世界でちゃんといきていけるように教育訓練する制度の学校なので、ここではスキルで評価しないんですよ。タロウ君、生まれ持ったものだけで評価されるなんてイヤですよね……あ泣いちゃった」


 まただ……

 また俺はやってしまった。

 いつも人の話を聞かないって怒られる。

 こうして俺は俺の首を絞めて皆からバカにされんだ。

 異世界転移しても一緒。

 何処にも俺の居場所はないんだ……


「せ、先生! タロウ君がかわいそうです!」


 え?

 1人の白髪の女子が俺の肩を持つ。


「なんですか、シロナさん?」

「タロウ君は確かに先生の話を聞いてなかったかもしれません。だけどやる気は人一倍ありました!」


 この子の名前はシロナっていうのか。

 俺とは違う現地人の子か?


「1回のミスで不合格はかわいそうです! もう一度チャンスをあげてもらえませんか!」

「……ァ……ァ」


 シロナちゃん。

 なんて優しい子なんだ……

 今まだこんな優しく接してくれた人……

 特に女の子なんていなかった……


「うーん……まあ不合格書類を作るのも文字数多くてめんどくさいですから。良いでしょう、シロナさんに免じてもう一度的を狙ってください、タロウ君」

「え……あ……う……うん」


 もう一度チャンスをもらった。

 今度はスキルを使わず狙いを定める。


「う……」


 緊張して手が震える。

 今度こそ失敗出来ない。


「頑張れ! タロウくーん!」


 シロナちゃんが応援してくれる。


「がんばれー!」

「タロウがんばれー」

「落ち着けタロウー!」


 シロナちゃんだけじゃなく受験者全員が応援してくれる。

 俺は……当てるんだ!


「ファイヤーボール!!」


 パンッ!


 的に魔法が当たった。


「はい、タロウ君も合格」

「やったああああ!」

「うおおおおおお!」


 試験監督の言葉に皆の歓声が上がる。


「やったねタロウ君!」

「え!?」


 シロナちゃんが駆け寄り俺の手を握る。


「タロウ君も合格って事はこれからクラスメイトだね! 私の名前はシロナ! よろしくね!」

「え、あ、ァ、ふ、へ、ヒヒヒ……よ……」


 よろしくなシロナ。

 それにしてもこの距離感。

 間違いない。

 シロナは俺の事好きだな。

 良いだろう、ハーレム要因1号に任命だ。

 試験監督が手を叩く。


「はーい、これにて実技試験終了です。お疲れ様でした。それにしてもタロウ君はコミュニケーションスキルに難有りだな……とりあえず引き継ぎにシロナさんをタロウ君係に任命してもらうように書いとけば良いかな?」


 独り言を呟きながら試験監督が去って行く。

 こうして俺は難なく魔法学園の試験を合格し、シロナというヒロインを手に入れたのだった。

 ここから俺の成り上がりが始まりだ!


「タロウ君よろしくね! じゃあまた明日」

「……ァ……ァ……うぅ」


        完!

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ハズレスキル《器用貧乏》だと皆にバカにされたが、本当はSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSS級当たりスキルだと気づいた天才の俺は、この試験をクリアして成り上がる! バンブー @bamboo

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