あの夏の日、君と見た真っ白に沸き立つ入道雲を僕はいつまでも忘れない。【カクヨムコンテスト10改稿版】

「もうすぐ藍（あい）ちゃんの命日だね……」

僕、香月恵一（かつきけいいち）は都内で一人暮らしの大学一年生。
田舎の姉から六年前に急逝した幼馴染みの二宮藍（にのみやあい）
彼女の七回忌を告げる電話があった。

あの夏の日、永遠に僕の前から姿を消した初恋の少女。

生前の藍と最後に交わした約束、過去にやり残した後悔に思わず胸が痛くなる。

あんなに大好きだった幼馴染みに告げられなかった短い言葉。

僕はあの夏に起こった出来事を一生忘れないだろう……。