【短編小説】沈黙させる女（ひと）～面倒くさがりの論破少女～（8,700字）

　その言葉を武器に、クラスメイトたちの論争を沈黙させる転校生・霧島一花。
　スマートフォンを片手に、彼女は教室の様々な対立を鋭い洞察で解決していく。
　しかし、その「論破」の真意は単なる煩わしさからではなかった。
　恋愛観の違い、友情の定義、人生の意味……。
　現代の女子高生たちが抱える様々な価値観の衝突を目撃しながら、一花は彼女たちの本質を見抜いていく。
　そして文化祭の準備を通じて、クラスメイトたちは気付き始める。
　一花の「面倒くさい」という言葉の、本当の意味を。
　これは、言葉の向こうにある本当の気持ちに気付くまでの、
　ちょっと不器用な女子高生たちの物語――。