脅威のメタファー表現は圧巻!!

 この物語を読んで、私はまず画面を閉じました。脳裏に残った情景をそのまま、しばらく過ごしました。
 私はふとこう思い至りました。
 
 文学とはこうあるべきではないか。

 シクロフスキーではないけれど、『風景の再発見』ができた気がします。この文章には、見慣れてしまって目で見て知覚されないものを再認識させる力を確かに持っていると確信しました。

 私はここで、敢えて物語の内容については触れません。と言うより、書けません。私が下手に考察を書いてもこの物語に泥を塗るだけだと分かるからです。そのくらい繊細で精神的な観念を内包しているからです。

 本文自体は掌編で読みやすいと思いますので、まずは一度読んでみることをお勧めします。

 作者さまにつきましてはさらなるご活躍を期待しています。