漫画アニメの世界を「キモい」と見下す人もいない、反対に「こんなことも知らないの？」なんて言ってくる厄介オタクも存在しない、春夏の空みたいなカラッとした頃のサブカル文化を切り取った気持ちの良い物語です。

新しく始まる熱量ってこんなに素晴らしいですね。今の繁栄期の漫画・アニメに小難しく触れる私達に、人間関係にいつでも悲観的に生きる私達に、正しく楽しいやり方を教えてくれています。

おすすめです。

「アウト！！」は、昭和の青春を舞台にした日常の中にキラッと光る瞬間を描いた作品やね。主人公の高校生が、雑誌を探して駆け回る姿は、なんや昔懐かしい情景を思い出させてくれるねん。瓶入りコーラの自販機や扇風機が回る本屋なんか、まさに昭和そのものやん！　読んでるだけで、時代を超えたタイムスリップみたいな気分になるわ。

主人公と茜の掛け合いもめっちゃおもろいんよ。茜の強引で天真爛漫なところと、それに振り回されながらも楽しんでる主人公。二人のやりとりは、ほんまに微笑ましいし、読んでて心がほっこりするねん。

ただ、もうちょっと物語の中にドラマチックな要素が加わったら、さらに読み応えが出ると思うわ。でも、この日常の中の青春らしい瑞々しさがこの作品のええところやから、あんまり大げさにせんのもアリやと思うで。

昭和の文化とか、アニメとか、ちょっと懐かしいもんが好きな人には、絶対刺さる一作やと思う！　ヌリカベさんの次回作も楽しみにしてるから、これからも応援してるで！✨

ユキナ（激辛）🧂

　レトロでノスタルジーな世界にどっぷり浸かってみませんか？
　私はこの時代を生きていないのですが、当時の生活や町並みが脳裏にありありと浮かび上がってきました。小物の描写など作者さまの細かい観察眼とその表現力に思わずタイムスリップしたような不思議な体験ができました。
　解説も是非読んでほしいところ。おそらくですが（違ったら申し訳ない）作者さまの趣味と努力が垣間見えて大変興味深いんです。
　現代を生きる私たちがなくしてしまったものがこの物語にあるような気がします。

インターネットも無かった時代は足で本を探す！昭和の漫画を愛し、本屋で織りなす高校生の男女のお話し。知ってる人には懐かしく、知らない人には新鮮なお話し。

絵が視えます、または画が視えます。
地方の田舎在住の自分が、初めて購入したアレ系の雑誌が九月号でした。六月号の存在は、知りませんでした。COMも全く知りませんでした。後追いで情報をかき集めたあの頃、あの時代を思い出します。もう、かなりの記憶が霧の中だったのですが、不思議なことに、小説で記述された絵が記憶の中から鮮明に甦りました。
ありがとう、の言葉をどうか贈らさせて下さい。

これがフィクションなのか、現実にこういうやりとりが繰り広げられる時代だったのか…当時のオタク文化に触れていない私では判断できません。
昔のオタク事情をこうしてネット小説の中で読んで知れる、恵まれた時代に生まれてきたことをたいへん喜ばしく思います。