ロボットのホスピス――そこで、未来のロボットたちは人間に看取られる。

第三次世界大戦を経た、架空の未来。
そこでは、ロボットの性能が向上したことで、ロボットたちにも「死」の概念が備わるようになっていました。
ロボットたちのホスピスがあり、壊れかけたAIやロボットはそこに集められ、最期までの時を過ごします。

主人公の「私」は、「ロボットのホスピス」の職員の人間で、ロボットと話をしたり世話をしたりして、彼らを看取るのが仕事です。

「私は、天国に行けるのでしょうか?」
ロボットたちは、時に答えにくい質問をしますが、主人公はその一つ一つに優しく向き合っているように感じました。
作品全体を穏やかな空気が包みこんでいるかのようで、死を扱った作品ではありますが、読んでいて暗いとは思いませんでした。むしろ優しさを感じました。

主人公はこれからも静かに、ロボットたちを看取り続けていくのでしょう。
おやすみなさい。