高校生になる

第9話

 時が経ち、僕は成長し高校に通う年になった。

 義妹の要求通り、志望校を変え、家から通える進学校に無事通えることになった。

 中学から高校に上がり環境が変わると当然色んなものが変わっていく。

人間関係も一からまた築いていかなくてはならない。

うまく友人作りがか少しだけ不安だった。

「……」

そんな不安を胸に抱えながら、俺は入学式が行われる体育館へと足を運んだ。

「あ、あの……」

体育館に着き、自分のクラスの列に並ぼうとすると後ろから声をかけられた。

振り向くとそこには俺と同じ制服を着た女の子が立っていた。

「B組ってこの列で合ってますか?」

「あ、うん。そうですけど……」

「よかった」

俺がそう答えると彼女は胸を撫で下ろしながらホッとした様子を見せた。

「?」

「あ、ごめんなさい。人見知りでなかなか誰にも聞けずに心細く思ってたので……」

彼女はそう言うと少し頬を赤らめながら笑った。

「そうなんですね。同じクラスみたいだしその、よろしくお願いします」

俺はそう答えながら手を差し出した。

「はい、よろしくお願いします!」

彼女もそう答えると俺の手を取り握手を交わした。

そしてそのまま俺たちは列に並んだ。

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悪魔の子が幸せになるまで 諏訪彼方 @suwakanata

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