第五章 理科室の奥にある謎の扉

 次の週、ミサコと由紀は学校の理科室に関する噂を耳にしました。理科室の奥には普段生徒の立ち入りが禁じられている部屋があり、そこにはいつも鍵がかかっているというのです。二人はその部屋の謎に興味を抱き、探索を決意しました。


 放課後、理科室の前まで来たミサコと由紀は、誰もいないことを確認してから静かに扉を開けました。中は一見普通の理科室と変わらないように見えましたが、部屋の奥には確かにもう一つの扉がありました。その扉には大きな南京錠がかかっており、明らかに何かを隠しているようでした。


 由紀は「ここに何があるんだろうね?」と小声で尋ねました。ミサコはしばらく考えた後、「ここを調べる手がかりがどこかにあるかもしれない」と答え、二人で理科室中を探し始めました。


 ほどなくして、ミサコは古い本棚の隅にある一冊のノートを見つけました。ノートには謎の化学式と数々のメモが書かれており、その中に「扉の鍵はXXR」という記述を見つけました。由紀は即座にそのヒントを理解し、「これ、何かのコードかな?」と推測しました。


 二人はさらに周囲を捜索し、ついに実験用のキャビネットの中から「XXR」と書かれた小さなキーを見つけ出しました。ミサコがそっと鍵を南京錠に差し込み、ゆっくりと回すと、錠前が開いて扉が少し隙間を開けました。


 扉を押し開けると、目の前に広がったのは予想もしなかった光景でした。部屋は広く、壁一面には監視カメラが並び、中央には大きな実験台が置かれていました。実験台の上には様々な科学器具が散乱しており、さらには複数のコンピュータースクリーンが稼働中でした。


 由紀は息をのんで言いました、「これ、ただの理科室じゃないよね。何か大きな実験が行われてるみたい…」ミサコも同意し、「私たち、何か大きな秘密に踏み込んでしまったかもしれないね」と静かに付け加えました。


 二人は部屋の奥へと進み、実験台の上の書類を慎重に調べ始めました。そこにはさらに多くの化学式と、何らかの「計画」に関する言及が記されていました。ミサコと由紀はその場で深い呼吸をし、この新たな発見がどのような結果をもたらすのか、予測もつかないまま、さらなる調査を続けることを決めました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

謎の転校生ミサコ 学園に隠された秘密 森康雄 @YASU113

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ