第四章 不審な扉の発見とその探索
数週間後、ミサコと由紀の友情はますます深まり、二人は放課後の時間を一緒に過ごすことが日常となっていました。ある金曜日、図書館での学習を終えた後、ミサコは由紀を連れて少し冒険をすることを提案しました。
「由紀、学校の裏庭に古い温室があるらしいよ。一度見てみない?」
由紀は少し躊躇しながらも、ミサコの提案に興味を示し、二人は学校の裏手にある古びた温室を目指しました。温室は荒れ放題の庭園の奥、少し離れた場所にひっそりと存在していました。
建物の中に足を踏み入れると、視界に広がるのはほこりに覆われた古い植物の鉢と、錆びたガーデニング用具でした。二人は好奇心に駆られながらも、何か不気味な空気を感じ取りつつ、慎重に周囲を探索し始めました。
「ミサコ、あそこに変な扉があるよ。」由紀が指さす方向には、壁に少しずれた位置に古い木の扉がありました。扉は一見するとただの収納用に見えましたが、近づくとほのかに奇妙な空気が流れていることが感じられました。
ミサコは扉に手をかけ、ゆっくりと押し開けました。すると、その扉の向こうには予想外の光景が広がっていました。広大な空間には、錆びついた機械や謎の装置が散乱しており、壁にはいくつもの写真と地図が貼られていました。
「ここ、一体何の部屋なんだろう…?」由紀が小声でつぶやきました。ミサコは周りを慎重に観察しながら、壁に掲示されている地図を詳しく見始めました。地図には学校周辺の地形が細かく記されており、特定の場所には赤いマークがついていました。
二人は部屋の奥へと進み、中央に置かれた大きな実験台の上に散らばる古い文書に目を通し始めました。文書からは、この部屋がかつて科学研究に使われていたこと、そして何らかの重要な実験が行われていたことがうかがえました。
ミサコは文書の一部を手に取り、由紀に向かって言いました。「これ、ただの温室じゃなかったみたい。もっと調べてみよう。」
由紀も同意し、二人は新たな発見に胸を躍らせながら、次第に忘れられた部屋の秘密を解き明かしていくことを決意しました。しかし、その背後にはまだ見えない大きな影が潜んでいることを、彼女たちはまだ知る由もありませんでした。
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