幼馴染がツンデレなので、ヤンデレに育てようと思う

「ひ、一人暮らしの部屋が隣同士なんて、偶然ね」

　俺、雨衣 遊夜(あまい ゆうや)には幼馴染がいる。
　十人見たら、十二人がナンパしてくるような美少女で、芸能界にスカウトされた数はもはや計り知れない。
　その上スタイルもよく、勉強も運動もでき、まさに欠点のない才色兼備の完璧美少女。
　この巡り合わせだけで一生分の運が使い果たされていても、何ら不思議ではない、そんな誰もが羨むような幼馴染だ。

　だが……違う。
　何かが違うんだ。
　これじゃあ駄目だ。

　そう———俺は、ヤンデレが好きなんだ。